福祉・介護職員処遇改善加算の【キャリアパス要件Ⅰ】を解説。職位・職責・賃金体系・就業規則の整備など、要件の考え方と具体例をわかりやすく整理します。

キャリアパス要件Ⅰ

更新日:2026/01/03

キャリアパス要件Ⅰ

福祉・介護職員処遇改善加算は、(Ⅰ)~(Ⅳ)までの段階で区分されており、それぞれの区分ごとに加算額や満たさなければならない要件が異なります。

本記事では、そのうちの【キャリアパス要件Ⅰ】を解説します。



キャリアパス要件Ⅰの内容

キャリアパス要件Ⅰを満たすには次に掲げる要件の全てに適合することが必要です。


イ  福祉・介護職員の任用の際における職位、職責又は職務内容等に応じた任用等の要件(福祉・介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。


ロ  イに掲げる職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系(一時金等の臨時的に支払われるものを除く。)について定めていること。


ハ  イ及びロの内容について就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての福祉・介護職員に周知していること。



用語解説

上記の要件を正しく解釈するためには正しい用語の理解が重要です。
以下に用語の解説を行います。


用語の意味 キャリアパス要件Ⅰを満たすために必要なこと

職位

職員が担当する仕事内容(職務内容)や責任の重さ(職責)に応じた組織内でのポジション(地位)のこと。
事業所の職位は、「上級指導員」「初級指導員」などのように表現されることが多いですが、上記の意味を持つものなら、職位の呼称自体は自由に決められます。

キャリアパスは、職員に対し、上位職位への任用の道筋を示すため、2 段階以上の職位を定めることが必要となります。
よく混同されるのが、指定基準上、配置が義務付けられる「管理者」「児童発達支援管理責任者」といった職種です。
これに対し、職位は、事業所が独自に設定した組織におけるポジション(地位)と考えます。

職責

職員が担当する仕事の責任のことをいいます。

職位ごとに求められる責任の違いを定めます。
これは、組織における役割とも言えます。

職務内容

職員が担当する仕事の内容のことをいいます。 職位ごとに任される仕事内容の違いを定めます。

任用等の要件

その職位に任用される条件のことをいいます。

職員が職位に任用されるために必要な条件を定めます。職位ごとに責任の重さが定義され、その責任を果たせると判断された場合に任用されるものを、「職責に応じた任用の要件」といいます。
職位ごとに任される仕事のレベルや内容が定められ、その業務を担うことができると判断された場合に任用されるものを、「職務内容に応じた任用の要件」といいます。

賃金体系

各職位に対応する賃金の体系のことをいいます。

「体系」とは、賃金がどのような項目の組み合わせで支払われているか を示すということです。
「職位、職責又は職務内容等に応じた賃金体系」は、職位に応じた基本給、役職ごとの職責の重さに応じて金額が決まる役職手当、担当する職務内容に応じて金額が決まる職務手当などの組み合わせが該当します。

就業規則等

労働基準法で定める就業規則(賃金規程等の付属規程を含む。)のほか、取扱要領や労働基準法上就業規則作成義務のない事業場(常時10人未満の職員数)における内規等のことをいいます。 常時10人以上の職員(パート、アルバイト等を含む。)を雇用する事業所は、就業規則の作成・届出義務があります。労働基準法上の就業規則でなくても、職員に周知していれば、就業規則と同様に扱います。



職位に応じた『職責』『賃金体系』の具体例

職位(例)

職責(組織における役割) 賃金体系 任用等の要件

主任

障害部門のリーダーとして所長を補佐し、事故やトラブル等の緊急対応、クレーム処理なども含め、一般(中級)・班長では対応困難な高度な業務を処理する。 36万円

勤続7年~
〇〇資格保持

班長

支援業務全般を確実に遂行する。一般(中級)では対応困難な難易度の高い業務を処理し、後輩・新人に対して業務に必要な技術や知識を指導する。 32万円

勤続5年~
〇〇資格保持

一般(中級)

基本的な支援業務全般を確実に遂行する。 28万円 勤続3年~

一般(初級)

上司や先輩の指導を受けながら、補助的、基礎的な支援業務に従事する。 24万円 勤続1年~


このように、職位、職責、任用要件・昇給要件、賃金体系などに関する事項については、就業規則、賃金規定、社内規則等に明記し、介護職員に周知しなければなりません。
※必ずしも一つの表にまとめなければならないものではありませんが、介護職員への周知が必要なことから、理解しやすい形にまとめることが望ましいとされています。



まとめ

キャリアパス要件Ⅰは、福祉・介護職員処遇改善加算における全ての加算区分で必須となる要件です。


また、監査や実地指導の際には、規程や周知状況を実際に確認される場合があるため、根拠資料(就業規則や賃金規程等)は法人内で整備・保管し、介護職員に周知しておくことが求められます。


まずは各要件を正しく理解し、制度上の用語や要件を整理することが、加算取得への第一歩となります。



 

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