令和6年度報酬改定で新設された「人員配置体制加算」の仕組みを解説。共同生活援助における加配要件、特定従業者数換算方法、単位数の概要をわかりやすくまとめ、事業所が留意すべきポイントを紹介します。

人員配置体制加算

更新日:2025/12/08

人員配置体制加算

人員配置体制加算」とは、令和6年度(2024年4月〜)の報酬改定で新設された加算です。
障害者グループホーム(共同生活援助)においては、改定前は「4:1」「5:1」「6:1」といった世話人の配置比率に応じた区分が設けられていましたが、改定後は【6:1】が基本となり、一本化されました。
※「〇:1」とは、利用者〇人に対して職員1人を配置していることを意味します。


これに伴い、6:1の基準を満たした上で、さらに世話人・生活支援員を手厚く配置している事業所に対して「人員配置体制加算」が算定される仕組みとなっています。
そのため、従来4:1や5:1といった手厚い配置で運営していた事業所は、この加算の算定要件を確認し、対応することが重要です。



共同生活援助における人員配置体制加算の概要

ここでは介護サービス包括型を例に挙げ解説いたします。


加算区分 加配状況 障害支援区分 単位数
介護サービス包括型

12:1
(とても手厚い配置)

4以上 83単位/日
3以下 77単位/日

30:1
(比較的少手厚い配置)

4以上 33単位/日
3以下 31単位/日



人員配置体制加算は加配や障害支援区分などによって単位数が変動します。
加配状況とは、基準(6:1配置)を上回って、世話人や生活支援員をどれだけ手厚く配置しているかを示す状況のことで、「特定従業者数換算方法」という計算方法を用いて加配しているかどうかを判定します。


※特例的な取り扱いや別区分(個人単位特例、日中サービス支援型、外部サービス利用型など)もあり、単位数や要件が異なりますので、実際に算定を検討する際にはそれらも確認が必要です。



「特定従業者数換算方法」とは

特定従業者数換算方法では、基準となる所定労働時間にかかわらず、


「(加配対象となる世話人・生活支援員等の週延べ勤務時間数) ÷ 40時間」


という方式で換算を行う点が特徴です。
言葉だけではわかりにくいので、簡易的な例を挙げます。


【ケース】

・ フルタイム職員1人(週40時間勤務想定)+週20時勤務のパート職員1人
・前年度平均利用者数6人の事業所
障害者区分


【特定従業者数換算方法の場合】

①  加配対象の世話人・生活支援員等の週延べ勤務時間数を合計(60時間) ÷ 40時間= 1.5人 (A)
②  前年度平均利用者数6人 ÷ 加配状況12(加算区分Ⅰの場合)=0.5人 (B)
③  (A)1.5人 > (B)0.5人 となり、人員配置体制加算Ⅰ(77単位/日の要件を満たすことになります。


加算額は、


利用者6人 × 30日 = 当月利用回数180回
当月利用回数180回 × 77単位 = 13860単位
13860単位 × 10円 = 138,600円(月額)


138,600円(月額)に地域加算を加算した額が算定されます。


※地域加算に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。



常勤換算との違い

常勤換算では、各事業所が定める「週所定労働時間」が換算の母数となるため、事業所ごとに人数が変わる可能性があります。
それに対し、特定従業者数換算方法は一律 「40時間」 で割る点で、すべての事業所に公平に適用される方式と言えます。



まとめ

令和6年度報酬改定により、共同生活援助の基本報酬区分であった「4:1」「5:1」は廃止され、「6:1」に一本化されました。
これに伴い、手厚い職員配置を評価する仕組みとして「人員配置体制加算」が新設されています。
ただし、旧報酬区分で評価されていた額がそのまま人員配置体制加算で補われるわけではなく、事業所によっては加算後の単位数が従来よりも減少するケースもあります。
制度は頻繁に見直されるため、常に最新の情報を把握し、自事業所で算定可能な加算を確認・対応していくことが重要です。




 

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