更新日:2025/11/27
グループホームの収入構造は一見すると複雑に見えますが、根本は「サービス提供に対して国が支払う報酬」と「利用者が自己負担する生活費」の二本柱で成り立っています。
この記事では、具体例を交えながら報酬体系を構造的に整理し、全体像をつかんでいただくことを目的としています。
今回は理解を深めるために要点を絞り、できるだけシンプルな例を用いて解説します。
グループホームを運営するためには、日々の運営費が必要です。主な収入源は次の2つです。
① 障害福祉サービスの提供に対して、国民健康保険団体連合会(国保連)を通じて支払われる「障害福祉サービス費(報酬)」。
② 利用者が自己負担する家賃・光熱水費・食材料費・日用品費などの実費。
これらを合わせて事業所の運営費が成り立っています。
障害福祉サービス費は、大きく「基本報酬」と「加算・減算」に分けられます。
・ 基本報酬:サービス提供の基礎部分に対して算定される報酬。いわば“基本料金”にあたります。
・ 加算・減算:体制やサービス内容に応じて、報酬が上乗せ・控除される仕組みです。
基本報酬の算定式は、
【サービスごとに定められた単位数】×【地域区分に応じた1単位あたりの単価】= 基本報酬額(円)
となります。
ここでは、最も一般的な形態である、介護サービス包括型のグループホームを想定して解説します。
① まず、1日の利用者一人当たりの単位数を計算します。
グループホームの場合、以下のような数字になっています。
| 共同生活援助サービス費(Ⅰ)(6:1の場合※) | 共同生活援助サービス費(Ⅱ)(体験利用) | |
|---|---|---|
| 区分6 | 600 単位 | 717 単位 |
| 区分5 | 456 単位 | 569 単位 |
| 区分4 | 372 単位 | 481 単位 |
| 区分3 | 297 単位 | 410 単位 |
| 区分2 | 188 単位 | 290 単位 |
| 区分1以下 | 171 単位 | 273単位 |
参考 ☞厚生労働省 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要
※「6:1」とは、利用者6人に対し職員1人を配置する基準を示します。令和6年度改定により、従来の「4:1」区分は廃止され、6:1に一本化されました。
【具体例】
例えば、区分4の利用者が2人、区分5の利用者が2人入所している場合の計算式は、
区分4 372単位×2人=744単位
区分5 456単位×2人=912単位
744単位 + 912単位 =1656単位
となり、【サービスごとに算定した単位数】は1656単位となります。
まず、地域区分の確認を行います。
サービスの種類や地域で区分分けされています。
【具体例】
埼玉県越谷市の場合だと、6級地となっています。
参考 ☞地域区分(市町村ごとの級地)の年度別一覧表
給地区分に基づき、1単位の単価を求めます。
| 1級地 | 11.60円 |
| 2級地 | 11.28円 |
| 3級地 | 11.20円 |
| 4級地 | 10.96円 |
| 5級地 | 10.80円 |
| 6級地 | 10.48円 |
| 7級地 | 10.24円 |
| その他 | 10円 |
【サービス・地域ごとに設定されている1単位の単価】は埼玉県越谷市の場合、10.48円であることがわかりました。
【サービスごとに算定した単位数】と【地域区分に応じた1単位あたりの単価】の2つの数字の具体例が出そろったので式に当てはめていきます。
【1656単位】×【10.48円】=17354円 ※小数点以下切り捨て
17354円は1日の基本報酬なので、営業日数を掛けます。
17354円 × 31日 =537974円
今回の例のようなグループホームの場合、1月の基本報酬が537974円であることがわかりました。
この基本報酬に様々な『加算・減算』を行うことによって、国保連から支払われる報酬が決定されます。
障害者グループホームを利用する際、福祉サービス費は原則1割負担です。
所得に応じた負担上限額制度により、多くの利用者は実質負担なしか1割負担で利用でき、残りの9割は公費(国・自治体)で賄われます。
しかし、生活に必要な費用として、利用者は主に以下の項目を自己負担します。
家賃:月額 3〜5万円程度が一般的です。開業予定地域の他施設の家賃を参考にするのも有効です。
食費:1日あたり約700円程度(朝300円、夕400円)が目安です。福祉向け配食サービスを利用している施設が多いです。おかずを配食に任せ、主食はスタッフが用意する形態や完全手作りを売りにしている施設もあります。
光熱水費:共益費・水道光熱費として徴収します。1〜2万円/月程度が目安です。
日用品費:トイレットペーパーや洗剤など共有消耗品の費用を人数割で徴収します。5千円程度/月が目安です。
これらの実費は、実際に発生した料金の範囲で利用者に請求します。
利用者は、障害者年金や工賃、生活保護費などで支払い、事業者に納付します。
上記のような障害者グループホームの報酬や利用者の自己負担に加え、各種の補助金・助成金制度を活用して運営を行うことができます。
なお、報酬の基準や加算の算定方法、補助金の公募条件や上限額などは年度ごとに変更されることが多いため、常に最新情報を把握しておくことが、安定した運営につながります。
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