障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金を解説。令和7年度補正予算の概要、目的、対象期間・補助額、要件、相談支援事業所への影響まで分かりやすく整理。

障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金について

更新日:2026/01/15

障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業補助金について

政府は2025年度補正予算案(令和7年度補正予算案)において、「医療・介護等支援パッケージ」として医療、介護、障害福祉分野の人材確保・賃上げ支援策を盛り込みました。
この中で、障害福祉分野向けの賃上げ支援として約439億円が計上されており、障害福祉従事者に対して賃上げ相当の補助金を支給することが予定されています。
参考 ☞障害福祉分野の職員の賃上げ支援事業の実施について


目的

本施策は、人材不足が深刻化している障害福祉分野において、人材の確保および離職防止を図るため、職員の賃金水準の引上げを目的として実施されるものです。
本来は報酬改定によって対応されるべき賃金改善ですが、次期報酬改定を待たず、補助金という形で緊急的・暫定的に支給する点に特徴があります。


障害福祉分野における賃上げ支援策は、これまでも補正予算等を通じて繰り返し実施されてきましたが、今回の施策の特筆すべき点は、その対象範囲の拡大にあるといえます。
具体的には、対象が処遇改善加算を算定している障害福祉サービス事業所に限られず、処遇改善加算取得事業者に準ずる要件を満たす事業所として、計画相談支援地域移行支援地域定着支援といった、これまで原則として処遇改善加算の対象外であった相談支援系サービスも含まれています。


相談支援については、直近の障害福祉サービス等報酬改定においても一定の評価見直しが行われており、今回の賃上げ支援策においても対象に含められたことから、国として当該分野の人材確保を重視している姿勢がうかがえます。


対象期間

令和7年12月~令和8年5月の賃上げ相当額を支給


申請期間

埼玉県では、令和8年1月下旬~2月上旬の申請受付開始を予定


補助額

① 利用者ごとの補助額を算出する。
【利用者ごとの補助額= 基準月の障害福祉サービス等総報酬×交付率】


② 障害福祉サービス事業所等ごとに補助額を合計する。


※ 利用者ごとの補助額の算出に当たっては、1円未満の端数は切り捨て。
※ 基準月の障害福祉サービス等総報酬は、基準月の障害福祉サービス等報酬総単位数(基本報酬サービス費に各種加算減算を加えた単位数をいう。)に、1単位の単価を乗じたもの。
※ 対象月の報酬の額に誤りがあり、過誤調整を実施した場合は、当該過誤調整分の単位数を含む。
※  基準月は、原則として、令和 7 年 12 月とする。


【交付率と対象事業】




要件

① 基準月において、処遇改善加算を算定していること。

※ 基準月において処遇改善加算を取得していない場合であっても、申請時に処遇改善加算を算定している又は処遇改善加算を令和8年度中に算定することを誓約した場合は、本補助金の申請要件の審査に当たっては、申請時から処遇改善加算を算定しているものとして取り扱う。
なお、当該誓約をした場合は、障害福祉従事者処遇改善緊急支援事業実績報告書(以下、「実績報告書」という。)において処遇改善加算の算定について報告することとする。


処遇改善加算に関しては以下でわかりやすく解説しています。


(ア)処遇改善加算Ⅲ又はⅣを算定している場合は、職場環境等要件について、全体から8以上の取組を実施していること。
※ ただし、基準月において当該要件を満たしていない場合であっても、申請時に8以上の取組の令和8年度中に実施することを誓約した場合は、申請時から当該要件を満たしているものとして取り扱う。
なお、当該誓約をした場合は、実績報告書において8以上の取組の実施について報告することとする。


(イ)処遇改善加算Ⅰ又はⅡを算定している場合は、以下のいずれかの取組を実施していること。

(A) 経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額(処遇改善加算を算定し実施される賃金改善の見込額を含む。)年額 460 万円以上であること(処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額 460 万円以上である者を除く)。
※ 基準月において当該要件を満たしていない場合であっても、申請時に当該賃金改善の令和8年度中に実施することを誓約した場合は、申請時から当該要件を満たしているものとして取り扱う。
なお、当該誓約をした場合は、実績報告書において当該賃金改善について報告することとする。


(B)職場環境等要件について、全体から14以上の取組を実施していること。
※ 基準月において当該要件を満たしていない場合であっても、申請時に 14 以上の取組の令和8年度中に実施することを誓約した場合は、申請時から当該要件を満たしているものとして取り扱う。
なお、当該誓約をした場合は、実績報告書において 14 以上の取組の実施について報告することとする。



② 基準月において処遇改善加算Ⅳの算定に準ずる(ア)~(ウ)までの要件を全て満たすこと。

(ア)任用要件・賃金体系の整備等
(イ)研修の実施等
(ウ)職場環境等要件



注意点

対象となる障害福祉サービス事業者等は、交付を受けた補助額に相当する賃金改善を実施しなければなりません。
賃金改善の方法としては、基本給、手当、賞与等(退職手当を除く。)が対象とされています。
また、補助金の交付対象期間においては、前年の同時期と比較して、賃金改善の対象とした職員の賃金水準を低下させてはならないとされています。


ここら辺は処遇改善加算の要件と重複するところが多いですね。
分配に関しても同じで、事業者の裁量に委ねられています。



まとめ

上記のほかにも、職員に対する賃金改善内容の周知など、細かな要件が定められていますが、全体としては処遇改善加算の算定要件と共通する点が多く、制度に馴染みのある方にとっては理解しやすい内容となっています。
一方で、障害福祉分野においては、残念ながら高齢者福祉分野と比較して、不正請求が多い傾向があることも指摘されています。
そのため、要件を改めて丁寧に確認し、「うっかり」による不備や誤りが生じないよう注意することが重要です。
相談支援事業所に在籍されている方にとっては、今後の報酬改定は、少~しだけ期待が持てるかもしれませんね。




 

障害福祉事業指定サポートなら、行政書士なばな事務所におまかせください!


どんなに些細なことでもお気軽にご相談ください!

初回相談無料にて承っております。

⇩お問い合わせはこちらから⇩