共同生活援助(グループホーム)の人員配置基準をわかりやすく整理。管理者・サービス管理責任者・生活支援員・世話人・夜勤従事者の役割と配置要件を詳しく解説し、指定申請に必要な実務ポイントを理解できる内容です。

共同生活援助(障害者グループホーム)の人員配置基準について

更新日:2025/12/02

グループホーム(共同生活援助)の人員配置基準

障害のある方が地域で自立した生活を送るためのグループホームですが、正式名称を「共同生活援助」と言います。
事業者がグループホームを運営するには、指定を受ける必要がありますが、その際に指定の要件として非常に重要なのが「人員配置基準」です。
ここでは、グループホーム(介護サービス包括型)の人員配置基準について整理して解説します。



グループホーム(介護サービス包括型)の運営に必要な人とその職務内容

ここでは、最も一般的なグループホームの形態である、介護サービス包括型の運営に必要な人とその主な職務内容を紹介します。


① 管理者

グループホームには、必ず管理者を配置しなければなりません。
管理者は、事業全体の運営を統括する役割を持ち、「事業所全体の責任者・調整役・管理者」 として、利用者支援・職員管理・施設運営・行政対応まで幅広く管理します。


② サービス管理責任者

グループホームでは、サービス管理責任者の配置も必須です。
サービス管理責任者は、利用者が自立した生活を送れるよう支援するために、日々の生活状況をモニタリング(観察)し、必要な支援を評価するアセスメント(評価)を行います。
その結果をもとに、利用者一人ひとりに合わせた個別支援計画を作成し、支援内容の調整や改善を行う役割を担います。


③ 生活支援員

サービス管理責任者の作成した個別支援計画に基づいて、食事の提供、相談支援、入浴支援などを行います。
後述の世話人よりも、より専門的な知識や支援技術が求められる傾向があります。


④ 世話人

日常生活のサポートや見守り、体調管理など、利用者との関わりを通して生活の安定を支える支援を行います。
生活支援員と比べ、コミュニケーション能力や、家事スキルなどの生活能力が重視される傾向にあります。


⑤ 夜勤従事者

利用者が安心して眠れる環境を整えるため、就寝の確認、見回り、緊急時の対応などを行います。



各職種の必要配置数と常勤要件について

各職種には、「配置人数」と「常勤要件」が定められています。
これらの基準は、事業所の規模や利用者の人数に応じて変動することがあります。
要件を満たすことで、指定申請や適正な運営が可能となります。


① 管理者

配置数:1人以上
常勤要件:あり
備考:管理者は、その責務を十分に果たせる場合に限り、同じ事業所内の他の職種や、他の事業所の管理者・サービス管理責任者・その他職種と兼務することが可能です。


② サービス管理責任者

配置数:1人以上
常勤要件:なし
備考:利用者30人に対しサービス管理責任者1人以上の配置が必要です。
   31人を超え、30人またはその端数を増すごとに1人を加えることが求められます。


③ 生活支援員

配置数:1人以上
常勤要件:なし(日中サービス支援型のグループホームを除く)
備考:常勤換算で、次の①から④までに掲げる数の合計以上
①  障害支援区分に該当する利用者の数を 9 で除した数
②  障害支援区分に該当する利用者の数を 6 で除した数
③  障害支援区分に該当する利用者の数を 4 で除した数
④  障害支援区分に該当する利用者の数を 2.5 で除した数


非常にわかりづらいですが、具体例に当てはめると理解しやすいかと思います。


【具体例】所定労働時間が「週40時間」の事業所で、前年度の平均利用者数(開業時は見込み)が
     区分4➡2人
     区分5➡2人
     区分6➡4人
     の8人の利用者がいる場合、
     【区分4】40時間 × (2人 ÷ 6) = 12
     【区分5】40時間 × (2人 ÷ 4) = 20
     【区分6】40時間 × (4人 ÷ 2.5) = 64
  すべての答えを合算すると、
  12+20+64=96
  となり、週96時間以上の生活支援員を配置することになります。


④世話人

配置数:1人以上
常勤要件:なし(日中サービス支援型のグループホームを除く)
備考:グループホームの種類が介護サービス包括型の場合利用者6人に対して1人以上の世話人の配置が求められます。
   グループホームの種類が日中サービス支援型の場合利用者5人に対して1人以上の世話人が求められます。


⑤夜勤従事者

配置数:1人以上
常勤要件:なし
備考:介護サービス包括型グループホームの場合、夜勤従事者の配置は必ずしも義務ではありません。
しかし、夜勤職員を配置することで「夜間支援等体制加算」を算定できるため、実際には多くの事業所が夜勤従事者を配置する運営を選択しています。



自治体ごとの差異

人員配置基準の基本的な枠組みは全国共通ですが、都道府県や政令指定都市によって運用に若干の違いが生じる場合があります。
指定申請を行う前に、必ず自治体が示す具体的な基準を確認し、必要に応じて人員配置計画やシフト表を作成しておくことが求められます。


まとめ

共同生活援助(グループホーム)の人員配置基準は、管理者・生活支援員・サービス管理責任者の配置や勤務体制、夜勤対応など多岐にわたり、内容も複雑です。


しかし、指定申請を通過するためには、これらの基準を正しく満たすことが不可欠です。
事業開始前には、職員の資格や経験、シフト体制、自治体ごとの基準を十分に確認し、計画的に準備する必要があります。


また、サービス管理責任者などは指定取得前から雇用しておくことが原則であり、その分の人件費が事前に発生するため、十分な準備と資金的余裕が求められます。


事業に専念したい場合や、人員配置・申請準備などでお困りの場合には、専門家に相談することも一つの方法といえます。





 

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