サービス管理責任者(サビ管)の役割や業務内容、必要な資格・実務経験、研修制度、現場での課題までをわかりやすく解説。障害福祉サービスに欠かせないサビ管の全体像を把握できます。

サービス管理責任者とは

更新日:2025/12/01

サービス管理責任者について

サービス管理責任者(通称サビ管)は、障害福祉サービス事業所において中核的な役割を担う職種です。
障害者総合支援法に基づき、就労継続支援A型・B型、就労移行支援、生活介護、自立訓練、共同生活援助(グループホーム)など、一定の障害福祉サービスを提供する事業所には、サービス管理責任者の配置が義務付けられています。
利用者一人ひとりの特性やニーズに応じた支援を実現するために、計画立案から職員の指導・管理まで幅広い業務を担っています。


主な役割

サビ管の中心的な業務は「個別支援計画」の作成とその進行管理です。
利用者の障害特性や生活状況を把握し、どのような支援を提供するのが最適かを検討し、本人や家族と相談しながら計画を立てます。
計画は一度作成すれば終わりではなく、定期的にモニタリングを行い、必要に応じて修正・改善をしていきます。
このように、利用者の状況に応じて支援を継続的に調整していく一連の作業は、福祉分野において「ケースワーク」と呼ばれています。
サビ管は、このケースワークのサイクルにおいて、中心的な役割を担います。
その流れは以下のように整理できます。


① インテーク(導入面接)
  初回面接を行い、利用者の希望や課題を聞き取ります。
     
② アセスメント(調査・評価)
  心身の状態、生活状況、社会資源の利用可能性などを多角的に評価します。
     


③ プランニング(目標・計画の作成)
  利用者の希望と評価結果を踏まえ、個別支援計画を作成します。
     


④ インターベンション(介入)
  支援員などと連携し、計画に基づいた具体的な支援を実施します。
     


⑤ モニタリング(経過観察)
  定期的に支援の経過を確認し、計画通り進んでいるか、課題はないかを見直します。
     


⑥ エバリュエーション(事後評価)
  支援の成果を評価し、必要に応じて計画を改善・再構築します。


このサイクルを繰り返すことで、利用者にとって最適な支援を継続的に提供できる体制を整えるのがサビ管の重要な役割です。



サビ管になるには?

サービス管理責任者になるためには、以下の2つの要件を満たす必要があります。

① 一定の実務経験を有すること
② 厚生労働省が定める「サービス管理責任者研修」を修了すること



① 一定の実務経験とは

必要な実務経験の期間は、所持している資格や職務内容により異なります。

• 相談支援の実務経験が 5年以上
• 直接支援の実務経験が 8年以上
• 特定の国家資格を保持している場合は、実務経験 3年以上

※実務経験とは1年間に180日以上勤務していることが条件とされています。


特定の国家資格には、以下が含まれます。

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士。



※ 実務経験の定義
「相談支援」や「直接支援」がどの業務にあたるのかは、法律上明確に定義されています。
サビ管を目指す際には、現在または過去の就労先での業務が実務経験として認められるかどうかを確認することが重要です。
自治体の資料などに詳細が掲載されていますので、参考にすると確実です。
参考 ☞サービス管理責任者の実務経験


② 厚生労働省が定める「サービス管理責任者研修」を修了すること

研修は、

基礎研修:初期段階で必要な知識やスキルを習得します。
OJT:2年間実務経験を積みながら学ぶ研修です。実務経験の期間もOJTに含まれるため、経験年数のカウントに注意してください。
実践研修:OJTで得た経験をもとに、より高度な実務スキルを磨きます。

※サービス管理責任者資格を取得しても、5年ごとに更新研修の受講が必要です。



今後の課題

全国的にサービス管理責任者(サビ管)の人材不足は深刻化しています。
サビ管は障害福祉サービス事業所に必置とされており、配置基準を満たせない場合や、個別支援計画を適切に作成しない場合には、基本報酬の算定ができなかったり、報酬が減算されることがあります。
そのため、事業者にとってサビ管の確保は喫緊の課題です。
一方で、サービスの種類や事業所の規模によってはサビ管の兼務での配置が認められる場合もあり、常勤での雇用が難しい場合、非常勤で採用することも可能です。



まとめ

サビ管は、障害福祉サービスの質を左右する非常に重要な役割を担っています。
個別支援計画の作成を中心に、職員の指導や地域・関係機関との連携を行うことで、利用者の生活を支える中核的な存在です。
サビ管の業務は多岐にわたり負荷が高いため、離職や退職の課題が指摘されることもあります。
もし空白期間が生じると、事業所の運営やサービスの提供に影響が出る可能性があります。
事業者は、社内育成や、兼務・非常勤配置などの柔軟な対応も含め、事前に計画を立てておくことが重要です。





 

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