更新日:2025/12/05
障害者グループホームを開設するためには、障害者総合支援法に基づく「指定申請」を行い、法令で定められた設備基準に適合していることが求められます。
この「設備基準」は、障害者総合支援法だけでなく、建築基準法・消防法など、複数の関連法令にまたがって定められています。
本記事ではその中でも、建築基準法の規制・基準に焦点を当てて解説します。
建築確認申請とは、建物を建てる前に、その計画が建築基準法や関係法令に適合しているかを審査してもらう手続きです。
グループホームを開設する際、建物を新築する場合は原則として必ず必要になります。
また、既存の住宅などをグループホームに用途変更する場合には、その建物の床面積が200㎡を超えるときに建築確認申請が必要となります。(200㎡未満の場合用途変更は不要です。)
なお、建築確認申請や用途変更には一定の費用がかかることから、実務上は初めから要件を満たす賃貸物件や既存建物を活用する事業者も多く見られます。
グループホームの設備基準に対応した賃貸物件を取り扱っている不動産会社もありますので、設備基準への対応にお悩みの場合は、そのような不動産会社を一度チェックしてみるのも有効な方法です。
また、古い物件などでは、【検査済証なし】というケースがあります。
検査済証とは、建築基準法に適合した建物の建築が完了したことを証明する書類で、グループホームの指定申請に際して必要とされることが多いです。
自治体によっては、他の書類で代替できる場合もありますが、どちらにせよ手間やコストがかかる可能性があることは認識しておく必要があります。
グループホームは、建築基準法上 「寄宿舎」 に分類されます。
共同生活を営む施設であるため、消防法では、一般の住宅や共同住宅よりも厳しい規定が設けられています。
特に、床面積200㎡以上の建物や、自力で避難が難しい利用者がいる場合は、より厳しい防火・避難設備基準が適用されます。
内装の不燃化、排煙の為の窓、避難経路の安全確保などに加え、消防法上では、消火器、自動火災報知器、火災通報装置、スプリンクラー、誘導灯、避難器具などの設置も求められることがあります。
これらの設備は工事費用がかかることも多く、非常に複雑なので事前に管轄の消防署に相談し計画を立てることが重要です。
確認済証などにより、建築基準法に適合した建物であることが確認できたら、消防署に防火対象物使用開始届を提出します。※詳細な手続きは指定権者により異なることがあります。
防火対象物使用開始届は、消防法に基づき、防火対象物を使用開始する際に提出する書類です。
提出後、消防署による防火設備や避難設備など消防法上の要件の確認が行われ、その後届出の控え(副本)を指定権者に提出します。
グループホームを開設する際は、建築基準法や障害者総合支援法に加え、各指定権者が定める条例等にも適合している必要があります。
具体的には、各地方自治体が定めるまちづくり条例やバリアフリー条例などが関係する場合があります。
これらの条例を事前に理解しておくことは、適法な建築物の確保や指定申請を円滑に進めるために不可欠です。
例えば、埼玉県の「福祉のまちづくり条例施行規則 」では、
階段の手すりや、点字ブロックなど細かく定められています。
このように、同じグループホームでも指定権者によって細かい運用が異なる場合があることに注意が必要です。
グループホームの設備基準にはその特性上、建築基準法以外にも様々な関係法令が関連してきます。
それぞれの法令の要件を満たすことが指定には必須となります。
グループホームには、その特性上通常の建築物よりも厳しい基準が設けられています。
床面積の広さや利用者の特性によって、適用される要件や除外規定が異なるため、規制内容は複雑です。
そのため、指定権者や管轄消防署と連携し、計画段階から開設に向けて進めることが重要です。
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