更新日:2026/01/11
職場環境等要件とは、福祉・介護職員等処遇改善加算を算定するためにクリアすべき要件の一つです。
この要件は、6つの区分 に分類され、それぞれの区分に対して4~8項目が定められています。
福祉・介護職員等処遇改善加算の区分(Ⅰ~Ⅳ)ごとに、取り組むべき項目数が定められていることが特徴です。
職場環境等要件は6つの区分に整理されています。
ここでは、それぞれの区分について内容を確認し、具体的な取り組み例を交えて解説します。
【要件】
① 法人や事業所の経営理念やケア方針・人材育成方針、その実現のための施策・仕組みなどの明確化
具体例:毎日の定例会(朝礼など)で法人の理念を唱え、理念を再確認する
② 事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
具体例:ローテーション研修において多様な部門(入所、在宅など)を経験する
③ 他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等、経験者・有資格者等にこだわらない幅広い採用の仕組みの構築(採用の実績でも可)
具体例:地域住民を対象として、介護保険制度などに関する説明会や相談会を開催する
④ 職業体験の受入れや地域行事への参加や主催等による職業魅力度向上の取組の実施
具体例:地域のイベントや地域での認知症カフェに参加する
【要件】
⑤ 働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対するユニットリーダー研修、ファーストステップ研修、喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援等
具体例:各職能団体や自治体の実施する研修を活用する
⑥ 研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
具体例:どの知識・技術・資格をどの程度満たすと、職位や給与水準がいくら上がるのかを法人として示す
⑦ エルダー・メンター(仕事やメンタル面のサポート等をする担当者)制度等導入
具体例:入職して間もない職員が胸に初心者マークを付ける(初心者マークの導入)
⑧ 上位者・担当者等によるキャリア面談など、キャリアアップ・働き方等に関する 定期的な相談の機会の確保
具体例:年に数回、各職員と管理者の面談を実施する(定期面談の実施)
【要件】
⑨ 子育てや家族等の介護等と仕事の両立を目指す者のための休業制度等の充実、事業所内託児施設の整備
具体例:育児休暇の推進
⑩ 職員の事情等の状況に応じた勤務シフトや短時間正規職員制度の導入、 職員の希望に即した非正規職員から正規職員への転換の制度等の整備
具体例:週休3日制の導入・時間単位での有給休暇取得・休憩時間に外出する(一度家に戻る等)ことを積極的に認める・AIツールを用いたシフト作成
⑪ 有給休暇を取得しやすい雰囲気・意識作りのため、具体的な取得目標(例えば、1週間以上の休暇を年に●回取得、付与日数のうち●%以上を取得)を定めた上で、取得状況を定期的に確認し、身近な上司等からの積極的な声かけを行っている
具体例:施設・事業所において、責任者を中心に有給休暇の取得状況を確認し、取得を促す雰囲気・意識づくりを行う
⑫ 有給休暇の取得促進のため、情報共有や複数担当制等により、業務の属人化の解消、業務配分の偏りの解消を行っている(要件㉓も併せて確認)
具体例:各施設・事業所等の管理者・責任者を複数担当(主担当、副担当)にする(全サービス•施設等で副担当制にすることが難しい場合は、特に休暇の取りにくいサービス等を優先する)
【要件】
⑬ 業務や福利厚生制度、メンタルヘルス等の職員相談窓口の設置等相談体制の充実
具体例:年2回、担当者が部門長に対してメンタルヘルス等に関する研修を行っている・メンタルヘルス相談窓口も併せて設置している・職員に広く窓口を周知し、自分から窓口に来るよう働きかけている
⑭ 短時間勤務労働者等も受診可能な健康診断・ストレスチェックや、従業員のための休憩室の設置等健康管理対策の実施
具体例:年に1回、腰痛やメンタルヘルスなど、心身の健康に関する調査を全職員に対して実施する
⑮ 介護職員の身体の負担軽減のための介護技術の修得支援、職員に対する腰痛対策の研修、管理者に対する雇用管理改善の研修等の実施
具体例:定例会などで腰痛体操を行ってみる
⑯ 事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成等の体制の整備
具体例:過去に発生したトラブルとその対応を1か所にまとめ、法人内で類似のトラブルが発生した際に活用する
【要件】
⑰ 厚生労働省が示している「生産性向上ガイドライン」に基づき、業務改善活動の体制構築 (委員会やプロジェクトチームの立ち上げ、外部の研修会の活用等)を行っている
業務改善活動の手順:
1. 職員同士で集まる
2. テーマを決める(理念の浸透、手順書作成、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動等)
3. 活動の実施を所内に周知する
⑱ 現場の課題の見える化(課題の抽出、課題の構造化、業務時間調査の実施等) を実施している
具体例:
1. 課題を把握する(業務中の気づき等)
2. 課題を分析する(話し合い等)
⑲ 5S活動(業務管理の手法の1つ。整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字をとったもの)等の実践による職場環境の整備を行っている
具体例:安全・衛生や接遇等、各テーマの担当職員が事業所を巡視する
⑳ 業務手順書の作成や、記録・報告様式の工夫等による情報共有や作業負担の軽減を行っている
具体例:報告書等を社内SNSを用いて共有する・インカムを用い、文字起こし機能を用いて記録を口頭で記入する
㉑ 介護ソフト(記録、情報共有、請求業務転記が不要なもの。)、情報端末(タブレット端末、スマートフォン端末等)の導入
㉒ 介護ロボット(見守り支援、移乗支援、移動支援、排泄支援、入浴支援、介護業務支援等)又はインカム等の職員間の連絡調整の迅速化に資するICT機器(ビジネスチャットツー ル含む)の導入
具合例:排せつ時にスマホ等に通知されるセンサーを導入する
㉓ 業務内容の明確化と役割分担を行い、介護職員がケアに集中できる環境を整備。特に、間接業務(食事等の準備や片付け、清掃、ベッドメイク、ゴミ捨て等)がある場合は、いわゆる介護助手等の活用や外注等で担うなど、役割の見直しやシフトの組み換え等を行う。
具体例:各シフト帯での業務を明確化する
㉔ 各種委員会の共同設置、各種指針・計画の共同策定、物品の共同購入等の事務処理部門の集約、共同で行うICTインフラの整備、人事管理システムや福利厚生システム等の共通化等、 協働化を通じた職場環境の改善に向けた取組の実施
具体例:
・ 採用・人材育成の協働化
・ 採用パンフレットの共同作成
・ 接遇等の研修の共同開催
・ 備品・エネルギー等の共同購入
・ 災害・感染症対策の共同実施書類等廃棄物の共同処分
・ 地域貢献活動の共同実施
【要件】
㉕ ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
具体例:法人単位、施設・事業所単位で定例会を開催する
㉖ 地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上に資する、 地域の児童・生徒や住民との交流の実施
具体例:地域イベントに参加する
・職員が地域に出向いて一緒に掃除
・子ども向け福祉体験教室開催
・認知症サポーターとしての活動
・認知症カフェの開催
㉗ 利用者本位のケア方針など介護保険や法人の理念等を定期的に学ぶ機会の提供
具体例:利用者本位のケアなどについて、年に1回、法人内で、全職員研修として事例検討会を開催する
㉘ ケアの好事例や、利用者やその家族からの謝意等の情報を共有する機会の提供
具体例:
・接遇の表彰制度を設ける(職員間投票によって接遇のグランプリなど)
・職員が毎年全国規模開催の学会に参加・発表している
以上の28項目の要件のうち、福祉・介護職員等処遇改善加算の算定区分により、満たすべき項目の数が定められています。
|
福祉・介護職員等処遇改善加算 |
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Ⅰ・Ⅱ |
Ⅲ・Ⅳ |
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入職促進に向けた取組(4項目) |
2項目以上 | 1項目以上 |
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資質の向上やキャリアアップに向けた支援(4項目) |
2項目以上 | 1項目以上 |
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両立支援・ 多様な働き方の推進(4項目) |
2項目以上 | 1項目以上 |
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腰痛を含む心身の健康管理(4項目) |
2項目以上 | 1項目以上 |
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生産性向上(業務改善及び働く環境改善)のための取組(8項目) |
3項目以上 | 1項目以上 |
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やりがい・働きがいの醸成(4項目) |
2項目以上 | 1項目以上 |
職場環境等要件は、福祉・介護職員等処遇改善加算を算定するために欠かせない仕組みです。
項目数は多く見えますが、実際には日常的に取り組んでいる内容も含まれており、対応しやすいものも少なくありません。
自施設の状況を整理しながら着実に取り組み、さらなる加算取得につなげていきましょう。
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