更新日：2025/12/06

退居後共同援助サービス費・退居後（外部サービス利用型）共同援助サービス費とは

退居後共同援助サービス費・退居後（外部サービス利用型）共同援助サービス費は、厳密には「加算」ではなく、単独で算定される独立したサービス区分です。
退去後の利用者への支援そのものに対して報酬が支払われるため、制度上は加算とは異なりますが、サービス提供に応じて事業所の収入となるという点では、加算と似た側面を持っています。
内容としては、利用者が新しい暮らしに馴染むために、一定期間、関係性のあるグループホームの職員が居宅を訪問して支援を行うものです。
算定期間は原則退居後3か月間ですが、指定権者が引き続き支援が必要と認めた場合には最長6か月まで延長されることもあります。

また、退居後共同援助サービス費・退居後（外部サービス利用型）共同援助サービス費の違いですが、

という理解で問題ありません。
なお、文章を簡潔にするため、以降は両者をまとめて退居後共同援助サービス費として表記します。

退居後共同援助サービス費における算定要件

【対象】
グループホームを退居した利用者（自立生活支援加算（Ⅰ）又は（Ⅲ）を算定していた者に限る。）

【期間】
退居日の属する月から３月間（引き続き支援することが必要であると市町村が認めた利用者に対しては６月間）

【要件】
① 利用者の一人暮らし等への移行に当たって会議を開催した上で、利用者の意向を反映した個別支援計画を作成すること。

② おおむね週１回以上、利用者の居宅を訪問することにより、当該利用者の心身の状況、その置かれている環境及び日常生活全般の状況等の把握を行い、必要な情報の提供及び助言並びに相談、指定障害福祉サービス事業者等、医療機関等との連絡調整等の支援を実施すること。

【算定単位】
上記の要件を満たす内容の支援を行った場合に、2,000単位／月が算定されます。

退居後共同援助サービスの注意点

【同時に算定できる加算に関して】
退居後共同援助サービス費を算定する際、算定する利用者において同時に算定できる各種加算は『退居後ピアサポート実施加算』及び『福祉・介護職員等処遇改善加算』のみが算定可能です。
人員配置体制や提供される支援内容を評価する各種加算は算定することができません。

参考　☞令和６年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するＱ＆ＡVOL.５

【他の障害福祉サービスとの併給に関して】
退居後共同生活援助サービスは、障害者総合支援法に定められた障害福祉事業のうち、自立生活援助または地域定着支援と併給することが可能です。
この場合、同一法人内の自立生活援助事業所や地域定着支援事業所であっても算定できます。
ただし、退居後共同生活援助サービスを提供する従業者と、自立生活援助または地域定着支援を提供する従業者が同一人物で兼務している場合は、算定できません。

参考　☞令和 6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関する Q＆AVOL.1

【退居後に他のグループホームに入所した場合】
退居後に他の共同生活援助を行う住居に入居する場合、当該報酬を算定することはできません。
退居後共同生活援助サービス費は、共同生活住居から一人暮らし等に移行した者について、居宅における自立した日常生活の定着に必要な援助を提供することを趣旨としているため、支給決定の対象となりません。

参考　☞令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.3

退居後ピアサポート実施加算との関連性

退居後ピアサポート実施加算は、同じような障害や経験を持つ利用者同士が支え合う活動を行った場合に算定できる加算です。
この加算を算定するための要件の一つに、『退居後共同生活援助サービスを算定していること』があります。
そのため、退居後共同生活援助サービスを算定する際には、退居後ピアサポート実施加算の取得要件もあわせて確認することで、加算漏れを防ぐことができます。

まとめ

退居後共同生活援助サービスは、令和6年度から新設された新しいサービスです。
新しいサービスや加算の確認を行うことで、加算漏れを防ぎ、事業運営の安定化につなげることができます。

当事務所では、加算の代理申請サービスも承っております。
加算に関してお悩みの場合は、ぜひご相談ください。

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