令和6年度改正で注目されるキャリアパス要件Ⅴを解説。共同生活援助における福祉専門職員配置等加算(Ⅰ~Ⅲ)の要件、常勤換算の考え方、加算Ⅰ算定のポイントをわかりやすく整理します。

キャリアパス要件Ⅴ

更新日:2026/01/07

キャリアパス要件Ⅴ

介護職員の賃金改善を目的として導入された「福祉・介護職員等処遇改善加算」は、今では福祉分野に欠かせない制度となっています。
その中で令和6年度(2024年度)の制度改正により注目されているのが「キャリアパス要件Ⅴ」です。
キャリアパス要件Ⅴでは、介護福祉士などの配置要件などを定めることにとり、サービスの質を担保することを目的としています。


福祉・介護職員処遇改善加算

各要件
 

(Ⅰ)
 

(Ⅱ)
 

(Ⅲ)
 

(Ⅳ)
 

キャリアパス 要件Ⅰ
 

キャリアパス 要件Ⅱ
 

キャリアパス 要件Ⅲ
 

×

キャリアパス 要件Ⅳ
 

× ×

キャリアパス 要件Ⅴ
 

× × ×

月額賃金改善要件Ⅰ・Ⅱ
 

職場環境等要件
 



キャリアパス要件Ⅴの内容

キャリアパス要件Ⅴで満たすべき項目は、以下の通りです。


サービス類型ごとに一定数以上の介護福祉士等を配置していること。


共同生活援助(グループホーム)においては、「福祉専門職員配置等加算(Ⅰ~Ⅲ)」を取得している場合、キャリアパス要件Ⅴを満たしているものとみなされます。

なお、共同生活援助における「介護福祉士等」とは、以下のいずれかの資格を有する者を指します。

• 介護福祉士
• 社会福祉士
• 精神保健福祉士
• 公認心理師
※ 就労移行支援と就労継続支援では作業療法士も加わります。


これらの専門職を一定割合で配置することにより、支援体制の専門性を高め、サービスの質の向上を図ることが目的とされています。



共同生活援助における福祉専門職員配置等加算(Ⅰ~Ⅲ)とは

福祉専門職員配置等加算(Ⅰ~Ⅲ)とは、事業所における有資格職員の配置割合に応じて3段階に区分される加算です。


この加算は、有資格職員の割合が最も高い「Ⅰ」から、基準を満たす最低水準の「Ⅲ」まで3段階に区分されており、共同生活援助においては、「福祉専門職員配置等加算(Ⅰ~Ⅲ)」のいずれかを算定していれば、キャリアパス要件Ⅴの条件を満たすことができます。


【福祉専門職員配置等加算(Ⅰ)】 
 15単位/日
常勤の直接処遇職員のうち、社会福祉士介護福祉士精神保健福祉士公認心理師のいずれかの資格を有する職員が35%以上在籍している事業所が算定できます。


【福祉専門職員配置等加算(Ⅱ)】
 10単位/日
常勤の直接処遇職員のうち、社会福祉士介護福祉士精神保健福祉士公認心理師のいずれかの資格を有する職員が25%以上在籍している事業所が算定できます。


【福祉専門職員配置等加算(Ⅲ)】
 6単位/日
以下のいずれかの条件(常勤換算)を満たす事業所が算定できます。
1.直接処遇職員(非常勤も含む)のうち、75%以上常勤職員であること
2.直接処遇職員(非常勤も含む)のうち、30%以上勤続3年以上の常勤職員であること


※ 直接処遇職員とは以下のような職員を指します。
「生活指導員・生活支援員」「就労支援員」「職業指導員」「地域移行支援員」「ホームヘルパー」「児童指導員・保育士」「世話人」



【常勤とは】

常勤とは、正社員やパートなどの雇用形態によって決まるものではなく、勤務時間の長さによって「常勤」と「非常勤」に区分されます。
各事業所では、常勤職員として勤務すべき時間が週32~40時間の範囲で定められており、この勤務時間に達している職員を常勤、それに満たない職員を非常勤と判定します。
なお、事業所で常勤の勤務時間を32時間未満に定めている場合も、最低32時間を基準として区分されます。


【常勤換算とは】

福祉専門職員配置等加算などの人員配置基準において、常勤換算という基準で判断されます。
常勤換算とは、勤務時間に応じてパート職員や短時間勤務者をフルタイム換算して計算する方法で、人数基準や割合を算出する際に用いられます。


たとえば、
週所定労働時間(例:週40時間)のフルタイム職員が3人勤務している場合、『常勤換算:3人』と考えられます。


週所定労働時間がフルタイムの半分のパート職員(例:週20時間)が1人勤務している場合『常勤換算:0.5人』となります。
(週20時間 ÷ 所定労働時間40時間 = 0.5 )


上記のような事例だと、


常勤3.5人 ÷ 直接処遇職員(常勤と非常勤の合計人数4人) = 0.875


となり、87%以上が常勤職員であるといえます。



まとめ

福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅰ~Ⅳのうち、最も加算額が高い加算Ⅰを算定するには、キャリアパス要件Ⅰ~Ⅴすべてを満たす必要があります。
キャリアパス要件は数字が大きくなるほどハードルが高くなる傾向があり、事業所における体制整備の重要性は増しています。
特に要件Ⅴでは、福祉専門職員配置等加算(Ⅰ~Ⅲ)の算定が求められるため、資格保持者の確保は喫緊の課題です。
また、職員に長期間働いてもらうためには、研修や勤務環境の整備、労働条件の改善など、雇用環境の充実が不可欠です。


その一方で、要件Ⅴの達成が難しい場合には、加算Ⅰではなく加算Ⅱを算定する事業者も少なくありません。
各事業所の実情に合わせ、柔軟に運用することが大切です。



 

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