更新日:2026/01/06
キャリアパス要件Ⅳは、経験や技能のある介護職員のうち、少なくとも一人以上が一定の年収以上となることを求める要件です。
キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲが賃金体系や昇給制度、研修制度などの仕組み整備を重視しているのに対し、実際の賃金改善の結果を数値で確認することを目的としている点が特徴です。
したがって、キャリアパス要件Ⅳは「制度設計」よりも「実際の処遇改善の成果」を重視する要件であり、職員の待遇改善を具体的かつ実質的に推進するための仕組みと言えます。
| 福祉・介護職員処遇改善加算 | ||||
|---|---|---|---|---|
|
各要件 |
(Ⅰ) |
(Ⅱ) |
(Ⅲ) |
(Ⅳ) |
|
キャリアパス 要件Ⅰ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
|
キャリアパス 要件Ⅱ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
|
キャリアパス 要件Ⅲ |
〇 | 〇 | 〇 | × |
|
キャリアパス 要件Ⅳ |
〇 | 〇 | × | × |
|
キャリアパス 要件Ⅴ |
〇 | × | × | × |
|
月額賃金改善要件Ⅰ・Ⅱ |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
|
職場環境等要件 |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
キャリアパス要件Ⅳでは、以下の内容を満たす必要があります。
経験・技能のある介護職員のうち1人以上 は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であること。
このうち、『経験・技能のある介護職員』と『年額440万円以上』について、詳しく解説します。
経験・技能のある介護職員とは以下の①、②を両方満たす人材を指します。
① 勤続10年以上
② 以下のA、Bどちらかに該当する。
A:介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士、心理指導担当職員(公認心 理師を含む。)、サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者、サービス提供責任者、その他研修等により専門的な技能を有すると認められる職員
B:強度行動障害支援者養成研修修了者、手話通訳士、手話通訳者、手話奉仕員、要約筆記者、点字技能士、点字指導員、点字通訳者、盲ろう者向け通訳・介助員養成研修修了者、失語症者向け意思疎通支援者養成研修修了者、サービス管理責任者研修修了者、児童発達支援管理責任者研修修了者、サービス提供責任者研修修了者、たんの吸引等の実施のための研修修了者、職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修修了者、相談支援従事者研修修了者、社会福祉主事、教員免許保有者 など。
① 勤続10年以上についての定義に関しては以下のようになっています。
・ 勤続年数を計算するに当たり、同一法人のみだけでなく、他法人や医療機関等での経験等も通算する。
・ すでに事業所内で設けられている能力評価や等級システムを活用するなど、10年以上の勤続年数を有しない者であっても業務や技能等を勘案して対象とする。
など、各事業所の裁量により柔軟に設定可能です。
参考 ☞介 護 保 険 最 新 情 報 Vol.1353 令和7年2月 10 日 - 厚生労働省
キャリアパス要件Ⅳでは、経験・技能のある障害福祉人材のうち1人以上は、賃金改善後の賃金の見込額(処遇改善加算を算定し実施される賃金改善の見込額を含む。)が年額440万円以上であること。
と具体的な年収要件を指定しています。
しかし、以下のように例外的に当該賃金改善が困難な場合であって、合理的な説明がある場合は必ずしも年額440万円以上の要件を満たさなければならないわけではありません。
① 小規模事業所等で職種間の賃金バランスに配慮が必要な場合
② 職員全体の賃金水準が低い、地域の賃金水準が低い等の理由により、 直ちに年額440万円まで賃金を引き上げることが困難な場合
③ 年額440万円の賃金改善を行うに当たり、規程の整備や研修・実務経験 の蓄積などに一定期間を要する場合
処遇改善加算による賃金改善以前の賃金が年額 440 万円以上である職員であっても、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることは可能か。
旧特定加算に係る従前の取扱いと異なり、令和6年度以降は、処遇改善加算による賃金 改善以前の賃金が年額440万円以上である職員であっても、処遇改善加算による賃金改善の対象に含めることができることとしている。※以前は賃金改善前から年額440万円以上の場合、対象に含まれていませんでしたが、令和6年度以降、含まれるようになりました。
処遇改善加算による賃金改善後の年収が440万円以上かを判断するにあたっての賃金に含める範囲はどこまでか。
「処遇改善後の賃金が440万円以上」の処遇改善となる者に係る処遇改善後の賃金額に ついては、手当等を含めて判断することとなる。
なお、処遇改善後の賃金「440万円」に ついては、社会保険料等の事業主負担その他の法定福利費等は含めずに判断する。
処遇改善加算については、法人単位の申請が可能とされているが、キャリアパス要件Ⅳについても法人単位での取扱いが認められるのか。
貴見のとおり。法人単位で申請を行う場合、年額 440 万円の要件を満たす者の設定・確保を行うに当たっては、法人全体で、一括して申請する事業所の数以上、要件を満たす職 員が設定されていればよい。例えば、5事業所について一括して申請する場合、5事業所のそれぞれに要件を満たす職員を配置する必要はなく、全体で5人以上要件を満たす職員が在籍していればよい。
その際、一括して申請する事業所の中に、設定することが困難な事業所が含まれる場合 は、処遇改善計画書にその合理的理由を記載することにより、設定の人数から除くことが 可能である。
「年額440万円以上」の改善の対象とし、賃金改善を行っていた経験・技能のある介護職員が、年度の途中で退職した場合には、改めて別の職員について、「年額440万円以上」の改善を行わなくてはならないか。
処遇改善加算Ⅱの算定に当たっては、賃金改善実施期間において、経験・技能のある介護職員のうち、年収440万円となる者を1人以上設定することが必要であるが、予定していた者が、賃金改善実施期間に退職した場合等においては、指定権者に合理的な理由を説明することにより、算定要件を満たしたものと扱うことが可能である。
キャリアパス要件Ⅳでは、経験や技能のある介護職員としての具体的な要件が定められており、あわせて賃金改善後の年額賃金が440万円以上であることという明確な数値目標も示されています。
一方で、事業所の規模や地域の賃金水準など、各事業者の実情に応じて柔軟な運用が認められる点も特徴です。
この要件は、令和6年度からの福祉・介護職員等処遇改善加算(Ⅱ)などを算定するための必須要件の一つとなっており、加算の取得には要件の確認が欠かせません。
加算を積極的に活用し、賃金改善を実現することで、介護・障害福祉分野の職員の待遇向上と人材定着、安定した職場づくりを推進することが期待されています。
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