一人相談支援事業所でも機能強化型サービス利用支援費は算定可能です。本記事では、協働体制の構築要件、協定書のポイント、実地指導を見据えた運用方法まで、実務に即してわかりやすく解説します。

一人相談支援事業所でも可能|機能強化型サービス利用支援費の算定方法と協働体制の実務ポイント

更新日:2026/03/24

一人相談支援事業所において強化型の基本法数を算定する方法

計画相談支援においては、相談支援専門員の配置状況や体制に応じて基本報酬が区分されています。
特に、相談支援専門員を手厚く配置している事業所については、「機能強化型サービス利用支援費」を算定することが可能です。
一方で、相談支援専門員が1名のみの体制で運営している事業所においては、原則として機能強化型サービス利用支援費の算定は困難であり、通常のサービス利用支援費を算定することになります。


これは、例えば機能強化型サービス利用支援費(Ⅳ)の要件として、

専従の相談支援専門員を2名以上配置し、かつ、そのうち1名以上が常勤専従かつ相談支援従事者現任研修を修了している。

などが求められているためです。


しかしながら、複数の相談支援事業所が協働体制を構築し、一体的に運営されていると認められる場合には、各事業所単独ではなく全体として人員配置要件を満たすものとして取り扱われます。
そのため、一定の要件を満たした協働体制を構築することで、相談支援専門員が1名のみの事業所であっても、機能強化型サービス利用支援費の算定が可能となる場合があります。
本記事では、一人相談支援事業所における機能強化型サービス利用支援費の算定方法について解説します。


【報酬区分】

報酬区分
 

取扱件数 常勤専従の相談支援専門員数  報酬単位 

機能強化型サービス利用支援費(Ⅰ)
 

40未満 4名以上 2,014単位

機能強化型サービス利用支援費(Ⅱ)
 

40未満 3名以上 1,914単位

機能強化型サービス利用支援費(Ⅲ)
 

40未満 2名以上 1,822単位

機能強化型サービス利用支援費(Ⅳ
 

40未満 1名以上 1,672単位

サービス利用支援費(Ⅰ)
 

40未満 1,572単位

サービス利用支援費(Ⅱ)
 

40以上 732単位



【機能強化型サービス利用支援費(Ⅰ)~(Ⅳ)の算定要件】

算定要件(概要)
常勤かつ専従の相談支援専門員を4名以上配置し、かつ、そのうち1名以上 が相談支援従事者現任研修を修了している。
常勤かつ専従の相談支援専門員を3名以上配置し、かつ、そのうち1名以上 が相談支援従事者現任研修を修了している。
常勤かつ専従の相談支援専門員を2名以上配置し、かつ、そのうち1名以上 が相談支援従事者現任研修を修了している。
専従の相談支援専門員を2名以上配置し、かつ、そのうち1名以上が常勤専従かつ相談支援従事者現任研修を修了している。
利用者(障害児)に関する情報又はサービス提供に当たっての留意事項に係る伝達等を目的とした会議を定期的に開催する。
24時間連絡体制を確保し、かつ、必要に応じて利用者等の相談に対応する体制を確保している。
指定特定相談支援事業所の新規に採用した全ての相談支援専門員に対し、相談支援従事者現任研修を修了した相談支援専門員の同行による研修を実施 している。
基幹相談支援センター等から支援が困難な事例を紹介された場合においても、当該支援が困難な事例に係る者に相談支援を提供している。
基幹相談支援センター等が実施する事例検討会等に参加している。
1月間において相談支援専門員1人当たり取扱件数が40件未満である。
協議会に定期的に参画し、関係機関等の連携の緊密化を図るために必要な取組を実施していること。
基幹相談支援センターが行う地域の相談支援体制の強化の取組に参画して いること。



複数事業所の協働体制の構築について

相談支援専門員が1名のみの事業所において機能強化型サービス利用支援費を算定するためには、複数の相談支援事業所と協働体制を構築することが必要となります。
この協働体制は、令和3年度の報酬改定において、機能強化型の評価の中で位置付けが明確化されたものであり、複数事業所が連携することにより、体制の強化および支援の質の向上を図ることを目的としています。
具体的には、単独の事業所では対応が難しいケースに対して、他事業所の相談支援専門員が関与することによる専門性の補完や、緊急時における対応体制の確保などが想定されています。
また、この協働体制については細かな要件が定められており、


① 要件を満たした上で
② 協定の締結や体制の届出を行い
③ かつ実態として連携が機能していると認められる場合


に限り、機能強化型サービス利用支援費の算定が可能となります。



協働体制の要件

協働体制を確保する事業所間において、協定を締結していること。

協働体制による機能強化型サービス利用支援費の算定にあたっては、関係する複数の相談支援事業所間で協定を締結することが必要です。
この協定については、書面により締結し、適切に保存しておくことが求められます。
また、協定の内容としては、少なくとも次のような事項を定めておくことが重要です。

協定の締結年月日
協定を締結する事業所名
協定の目的
協働により確保する体制の内容
協働体制が維持されていることの確認方法
協働する事業所の義務
協定が無効や解除となる場合の事由や措置
秘密保持
協定の有効期間

これらの事項を明確に定めることで、形式的な連携ではなく、実態を伴った協働体制であることを担保することができます。


協定を締結した事業所間において、定期的(月1回)に、各要件の確認が実施されていること。

協働体制が維持されているかの確認は、月1回程度の定期的な確認の中で、主に以下の事項について実態および記録に基づき行います。

• 複数事業所による共同体制が実質的に機能しているか
• ケース共有や事例検討等を通じた相互関与が行われているか
• 定期的な会議・打合せが開催され、その内容が支援に反映されているか
• 緊急時対応等の相互補完体制が確保されているか
• これらの実施状況について適切な記録が作成・保存されているか


原則、全職員が参加するケース共有会議、事例検討会等(テレビ電話装置の活用可)を月2回以上共同して実施していること。

協働体制の実効性を確保するため、原則として関係する全職員が参加するケース共有会議や事例検討会等を、複数の事業所が共同して月2回以上実施することが求められます。


以下の事業所要件(ア)(イ)のいずれかを満たしていること。

(ア)運営規程において、地域生活支援拠点等であることを市町村により位置付けられて いることを定めていること。

※地域生活支援拠点とは
地域生活支援拠点とは、障害のある方が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう、 以下の5つの居住支援機能を整備するものです。
  ① 相談
  ② 緊急時の受け入れ・対応
  ③ 体験の機会・場の提供
  ④ 専門的人材の確保・養成
  ⑤ 地域の体制づくり
上記の5つの機能を満たす地域生活支援拠点等の機能を担う事業所(拠点等事業所)が所定の届出を行うことで、地域生活支援拠点等事業所として位置づけられ、各種加算の算定が認められます。


(イ)地域生活支援拠点等の拠点関係機関との間に、支援が必要な者への対応について協議する体制及び緊急連絡体制を確保するとともに、協議会の構成員として専門部会等に定期的に参加し、個別事例の報告等を行っていること。


協働体制を組む各事業所に、常勤かつ専従の相談支援専門員が1名以上配置されて いること。

上記の協働体制に関する要件を満たし、かつ、機能強化型サービス利用支援費に係る人員配置等の要件を、協働する事業所全体として満たした場合には、相談支援専門員が1名のみの事業所であっても、機能強化型サービス利用支援費の算定が可能となります。


まとめ

複数事業所による協働体制を構築し、適切に協定を締結することにより、利用者に対する支援の質の向上だけでなく、地域全体の福祉サービスの質の向上にも寄与します。
また、事業所の安定的な運営にもつながる点で大きなメリットがあるといえます。


もっとも、この協働体制の構築は単なる「連携」にとどまるものではなく、一定の実務的な設計が求められる点には注意が必要です。
具体的には、協定書の内容の整理に加え、会議体の運営方法や、実地指導に対応できる記録・運用の整備などを一体的に検討していくことが重要となります。


このような点を踏まえると、実務上は段階的に体制を整備していくことが現実的です。
例えば、開業当初はサービス利用支援費を算定し、その後、他事業所との連携を進めながら協働体制を構築し、機能強化型サービス利用支援費へ移行していくケースも多く見られます。


なお、協働体制の具体的な要件や運用については、自治体ごとに解釈や指導の運用が異なる場合があります。
実際に算定を行う際には、あらかじめ指定権者へ確認を行い、要件の充足状況や運用方法について整理しておくことが重要です。




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