更新日:2026/01/31
相談支援事業は、障害者総合支援法に基づいて実施される障害福祉サービスの一つです。
この相談支援事業は、内容に応じて
「一般相談支援」
「特定相談支援」
「障害児相談支援」
の三つの類型に区分されています。
本稿では、このうち「一般相談支援」について解説いたします。
一般相談支援事業は、障害者総合支援法に基づき障害のある人が地域で自立した生活を継続できるよう支援する障害福祉サービスです。
一般相談支援は「基本相談支援」と「地域相談支援」に振り分けられており、地域相談支援はさらに「地域移行支援」と「地域定着支援」の二つに区分されています。
これらの支援は、関係機関との連携や広域的・専門的な調整を必要とすることから、都道府県(政令指定都市・中核市を含む)が指定権者となっています。
基本相談支援が、一般相談支援を含むすべての相談支援事業に共通する基本的な相談機能であり、障害のある人やその家族等からの相談を受け、情報提供や助言、必要な支援へのつなぎを行う役割を担っているのに対し、
地域相談支援は、主に障害者支援施設や病院等から地域生活への移行を支援するとともに、地域での生活を継続・安定させるための支援を行う点が特徴です。
また、障害福祉サービスの利用調整やマネジメントを主な役割とする「特定相談支援」とは異なり、「一般相談支援」は、生活基盤そのものに関わる支援を担う点に大きな特徴があります。
【障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律】
第五条 19
この法律において「相談支援」とは、基本相談支援、地域相談支援及び計画相談支援をいい、「地域相談支援」とは、地域移行支援及び地域定着支援をいい、「計画相談支援」とは、サービス利用支援及び継続サービス利用支援をいい、「一般相談支援事業」とは、基本相談支援及び地域相談支援のいずれも行う事業をいい、「特定相談支援事業」とは、基本相談支援及び計画相談支援のいずれも行う事業をいう。
基本相談支援は、障害福祉に関するさまざまな困りごとや不安について、障害者本人やその家族、介護者等からの相談を受け止める「相談の入口」となる支援です。
障害福祉サービスの利用の有無にかかわらず、生活全般に関する相談に応じ、必要な情報提供や助言を行います。
基本相談支援では、単に相談を受けるだけでなく、本人の生活状況や課題を整理し、どのような支援が必要かを見立てたうえで、適切な支援につなげていく役割を担います。
そのため、状況に応じて、地域移行支援や地域定着支援といった一般相談支援、サービス等利用計画を作成する計画相談支援(特定相談支援)、または社会福祉協議会、医療機関、就労支援機関など、障害福祉以外の関係機関や社会資源への橋渡しを行います。
このように基本相談支援は、障害のある人が必要な支援に適切につながり、安心して地域で生活していくための基盤となる相談支援であり、関係機関との連携を通じて支援全体を調整する役割を果たしています。
【障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律】
第五条 20
この法律において「基本相談支援」とは、地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行い、併せてこれらの者と市町村及び第二十九条第二項に規定する指定障害福祉サービス事業者等との連絡調整(サービス利用支援及び継続サービス利用支援に関するものを除く。)その他の主務省令で定める便宜を総合的に供与することをいう。
地域移行支援とは、障害者支援施設等や精神科病院に入所・入院している障害者を対象に、住居の確保や障害福祉サービスの体験利用・体験宿泊の支援などを行い、地域生活へ円滑に移行できるよう支援する制度です。
相談支援専門員が、本人の意向や生活状況等を踏まえた地域移行支援計画を作成し、関係機関との連絡調整、支援の実施状況の確認やモニタリングを継続的に行うことで、障害者一人ひとりに寄り添い、地域での生活の実現を支援します。
【対象者】
• 障害者支援施設、のぞみの園又は療養介護を行う病院に入所している者
※ 児童福祉施設に入所する18歳以上の者、障害者支援施設等に入所する15歳以上の障害者みなしの者も対象
• 精神科病院に入院している精神障害者
• 救護施設又は更生施設に入所している障害者
• 刑事施設(刑務所、少年刑務所、拘置所)又は少年院に入所している障害者
• 更生保護施設に入所している障害者または自立更生促進センター、就業支援センターもしくは自立準備ホームに宿泊している障害者
※ 具体的な運用や内容は、指定権者(自治体)により異なる場合があります。
【給付決定期間】
原則6カ月間まで。必要性が認められた場合更新可能。
【障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律】
第五条 21
この法律において「地域移行支援」とは、障害者支援施設、のぞみの園若しくは第一項若しくは第六項の主務省令で定める施設に入所している障害者又は精神科病院(精神科病院以外の病院で精神病室が設けられているものを含む。第八十九条第七項において同じ。)に入院している精神障害者その他の地域における生活に移行するために重点的な支援を必要とする者であって主務省令で定めるものにつき、住居の確保その他の地域における生活に移行するための活動に関する相談その他の主務省令で定める便宜を供与することをいう。
地域定着支援とは、地域で一人暮らしをしている障害者が、常時の連絡体制を確保し、障害の特性に起因して生じた緊急の事態等に相談その他必要な支援を行う制度です。
【対象者】
• 居宅において単身であるため緊急時の支援が見込めない状況にある者
• 居宅において家族と同居している障害者であっても、当該家族等が障害、疾病等のため、障害者に対し、当該家族等による緊急時の支援が見込めない状況にある者
• 居宅において家族と同居している障害者で、同居する家族に障害、疾病のない場合であっても、地域移行支援を利用して退院・退所した者、精神科病院の入退院を繰り返している者、強度行動障害や高次脳機能障害等の状態にある者等、地域生活を営むため緊急時に手厚い支援を必要としている者
【給付決定期間】
原則1年間まで。必要性が認められた場合更新可能。
【障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律】
第五条 22
この法律において「地域定着支援」とは、居宅において単身その他の主務省令で定める状況において生活する障害者につき、当該障害者との常時の連絡体制を確保し、当該障害者に対し、障害の特性に起因して生じた緊急の事態その他の主務省令で定める場合に相談その他の便宜を供与することをいう。
令和6年4月時点における指定一般相談支援事業所数は、全国で3,837事業所となっており、前年と比較して4.5%の増加となっています。
このうち、市町村から障害者相談支援事業の委託を受けている事業所(委託相談支援事業所)は1,509事業所で、全体の約39%を占めています。
【委託相談支援事業所】とは
市町村が実施する障害者相談支援事業について、市町村から委託を受け、地域における相談支援の窓口として主に基本相談支援等を担う事業所です。
実務上は、社会福祉法人等が市町村から委託を受け、基幹相談支援センターとして運営しているケースも多く見られます。
【指定相談支援事業所】とは
障害者総合支援法に基づき、都道府県または市町村から指定を受けて、地域移行支援・地域定着支援(一般相談支援)や計画相談支援(特定相談支援)といった、法定の相談支援サービスを提供する事業所です。
なお、実務上は、同一の事業所が委託相談支援と指定相談支援の両方を担っている場合も多くあります。
相談支援事業の相談窓口の設置場所
指定一般相談支援事業所の相談窓口の設置場所については、障害福祉サービス事業所内に設置されているものが70%(2,677事業所)と最も多く、次いで障害者支援施設内が8%(301事業所)となっています。
このことから、独立型の相談支援事業所は少数にとどまり、多くが他の障害福祉事業との併設によって運営されている傾向がうかがえます。
今後の傾向
第7期埼玉県障害者支援計画では、障害者の自立と社会参加を促進するための施策体系の一つとして、相談支援体制の整備・充実が明確に位置づけられています。
具体的には、市町村が実施する相談支援事業への支援を通じて、障害福祉サービスの利用調整や地域生活の継続支援に対応できる相談体制を整備することが示されており、基幹相談支援センターの設置等による体制強化も重要な取組として掲げられています。
令和4年度における相談支援事業の需要と供給の状況を見ると、
・計画相談支援の達成率は55.5%
・地域移行支援の達成率は14.0%
・地域定着支援の達成率は68.6%
となっており、いずれも需要に対して供給が十分とはいえない状況にあります。
これらの数値から、相談支援事業は他の障害福祉サービスと比較しても供給不足の傾向が強く、特に地域移行支援については、体制整備が大きな課題となっていることが示唆されます。
障害福祉サービスの指定申請・運営については
【越谷で障害福祉サービス指定申請を支援する『社会福祉士×行政書士なばな事務所』】
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