相談支援事業の指定申請に必要な要件を解説。法人格の種類、人員配置、施設要件、運営規程、BCP策定まで、指定取得のポイントをわかりやすくまとめています。

相談支援事業における指定申請の要件

更新日:2026/01/28

相談支援事業における指定申請の要件

相談支援事業の指定申請を行う際には、いくつかの要件を満たす必要があります。


① 法人格
② 人的要件
③ 施設要件
④ 運営規定の作成
⑤ 業務継続計画(BCP)の策定
  など


本稿では、代表的な上記の要件について解説します。



法人格

事業として相談支援事業の運営を始める際には、法人格の取得が必要となります。
法人にはさまざまな種類がありますが、それぞれ設立要件やコスト、手間が異なります。
今回は、実際にグループホームの運営を始めるにあたって一般的な以下の4つの法人形態をご紹介します。


① 株式会社
② 合同会社
③ 一般社団法人
④ 特定非営利活動法人(NPO法人)


上記のような法人格の特徴を踏まえ、
「どのような組織にしたいのか」
「障害者支援に対する思い」
「一緒に取り組む人数や体制」
「資金的な余裕や調達方法」
といった要素を考慮して判断すると良いでしょう。


なお、ケースによっては社会福祉法人や医療法人といった選択肢もありますが、これらは設立要件や審査が厳しく、初期段階で選ばれるケースは多くありません。


4つの法人形態の比較

メリット

デメリット

設立費用

株式会社

・社会的信用度が高い・資金調達がしやすい
・1名でも設立可能

・設立費用が高い・株主と経営が分離しやすく、意思決定に時間がかかる場合がある 約25万円(法定費用)

合同会社

・設立費用が安い
・1名でも設立可能
・内部自治が柔軟

・株式会社に比べると知名度や信用度が低い場合がある
・代表は「代表社員」となる

約6万円(法定費用)

一般社団法人

・社会的信用度が高い
・少人数で公益性を示しやすい

・2名以上の社員が必要 12万円(法定費用)

NPO法人

・公的な印象
・税金面での優遇制度がある
・少額の費用で設立できる

・活動内容に制限がある
・設立に構成員10人以上が必要
・煩雑な行政手続きがある

法定費用は不要


さらに、法人を設立する際には、定款の作成をはじめとした各種手続きが必要となります。
実際に法人を立ち上げる方法としては、主に次のような選択肢があります。


①  自力で手続きを行う方法
②  行政書士や司法書士などの専門家に依頼する方法
③  会社設立ソフトなどのアプリケーションを利用する方法


それぞれに費用や手間、サポート内容の違いがあるため、法人の形態や事業内容、スケジュールに応じて適切な方法を選択することが重要です。



人的要件

相談支援事業を運営するにあたっては、事業所ごとに、原則として管理者を1名以上、および相談支援専門員を1名以上配置する必要があります。
なお、管理者については、当該事業所の管理業務に支障がない場合、相談支援専門員との兼務が可能です。


【管理者とは】
管理者は、原則として当該事業所の管理業務に専従する者とします。
ただし、当該事業所の運営管理に支障が生じない場合には、当該事業所内の他の業務や、併設している他事業所の業務を兼務することが可能です。
なお、管理者については、必ずしも相談支援専門員である必要はありません。


【相談支援専門員とは】
相談支援専門員とは、一定の実務経験を有し、相談支援従事者初任者研修(全課程)を修了した者を指します。
相談支援事業において、相談支援専門員は必須の配置人員であり、配置後も継続的な研修(現任研修)の受講が求められています。



施設要件

指定相談支援事業所の施設要件については、指定権者ごとに運用が異なる場合があります。
以下では、埼玉県における要件を紹介します。


【事務室】
指定特定相談支援事業所には、事業の運営を行うために必要な面積を有する専用の事務室を設けることが望ましいとされています。
ただし、間仕切り等により他の事業の用に供する部分と明確に区分されている場合には、他の事業と同一の事務室であっても差し支えありません。
なお、この場合において、物理的な区分がされていなくても、業務に支障がなく、指定計画相談支援の事業を行うための区画が明確に特定されていれば足りるとされています。


【受付等のスペースの確保】
事務室または指定計画相談支援の事業を行うための区画については、利用申込みの受付、相談、サービス担当者会議等に対応するために適切なスペースを確保するものとします。
また、相談のためのスペース等については、利用者等が直接出入りできるなど、利用しやすい構造とする必要があります。


【設備及び備品等】
指定特定相談支援事業者は、指定計画相談支援に必要な設備および備品等を確保しなければなりません(秘密保持のための鍵付き書庫等)。
ただし、他の事業所または施設等と同一敷地内にある場合であって、指定計画相談支援の事業または当該他の事業所・施設等の運営に支障がないときは、それらに備え付けられた設備および備品等を共用することが可能です。
なお、事務室または区画、設備および備品等については、必ずしも事業者が所有している必要はなく、貸与を受けているものであっても差し支えありません。



運営規定の整備

指定特定相談支援事業者は、指定特定相談支援事業所ごとに、以下の運営規定を定めておかなければなりません。


一 事業の目的及び運営の方針
二 従業者の職種、員数及び職務の内容
三 営業日及び営業時間
四 指定計画相談支援の提供方法及び内容並びに計画相談支援対象障害者等から受領する費用及びその額
五 通常の事業の実施地域
六 事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類
七 虐待の防止のための措置に関する事項
八 その他運営に関する重要事項



業務継続計画(BCP)の策定等

「業務継続計画(BCP)」とは、Business Continuity Plan の略称で、有事の際にも事業を継続できるよう定める計画です。
ここでいう「有事」とは、例えば大地震や水害などの自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件・大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化といった、不測の事態を指します。
障害福祉サービス事業所等においては、この業務継続計画(BCP)の策定が義務付けられており、策定していない場合には「業務継続計画未策定減算」の対象となる可能性があります。


まとめ

相談支援事業の指定申請にあたっては、法人格の取得や人員配置、運営規程や業務継続計画(BCP)の整備など、共通して求められる基本要件があります。
一方で、施設要件や具体的な運用については、指定権者である自治体ごとに判断や取扱いが異なる点に注意が必要です。
例えば、事務室の区分方法や相談スペースの考え方、設備・備品の共用可否などについては、国の基準や通知を踏まえつつも、自治体独自の解釈や運用ルールが設けられている場合があります。
指定申請を円滑に進めるためには、事前に自治体の指定担当課へ相談し、事業所のレイアウトや運営体制について具体的に確認することが重要です。
自治体との対話を重ねながら、確実な指定取得を目指しましょう。



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【越谷で障害福祉サービス指定申請を支援する『社会福祉士×行政書士なばな事務所』】

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