独立型相談支援事業所を相談支援専門員1人(管理者兼務)で開業する場合の資金目安は人それぞれです。人件費や物件取得費、設備費、運転資金の考え方まで、失敗しない資金計画を具体的に解説します。

独立型相談支援事業所の開業資金はいくら?1人開業の目安と内訳を徹底解説

更新日:2026/03/22

独立型相談支援事業所の開業資金はいくら必要か

相談支援専門員として独立を検討する際、「どれくらい資金が必要なのか」は最も気になるポイントの一つです。
ケースによって異なりますが、結論から言うと、最低ラインで約100万〜150万円、余裕を持つなら200万〜300万円程度を見ておくのが現実的です。
開業時に必要となる資金の項目を整理しておきます。


主な内訳は以下の通りです。

• 人件費
• 営業所の維持費
• 物件取得費
• 設備費
• 通信・システム費
• 法人設立費用
• 営業・交通費

このように、開業資金は単一の費用ではなく、「初期費用+運転資金」の組み合わせで構成されます。



人件費

人件費は、ご自身の生活費を含む金額です。
相談支援専門員と管理者を兼務する場合、基本的には1人分の生活費を基準に考えます。
また、相談支援の報酬は、請求から入金まで原則として約2か月のタイムラグがあります。
さらに、開業初日から利用者が付くケースは少なく、契約・サービス提供を経て請求に至るまで一定の期間が必要です。
そのため、実際には「2か月分」では足りず、最低でも3か月分、可能であれば4〜6か月分程度の生活費を確保しておくことが望ましいでしょう。
資金に余裕があるほど、無理な受け入れや焦った運営を避けることができます。



営業所の維持費

自己所有の物件を営業所にする場合、家賃は発生しませんが、光熱費などの維持費は継続的に発生します。
一方、賃貸物件を利用する場合は、これらに加えて毎月の賃料が固定費としてかかります。
これらの営業所維持費についても、人件費と同様に、開業直後は収入が安定しないことを前提に準備しておく必要があります。
目安としては、最低でも3か月分、可能であれば4〜6か月分程度を確保しておくと安心です。



物件取得費

新たに営業所を構える場合、敷金礼金などの初期費用が発生します。
賃貸物件を契約する際には、一般的に以下のような費用が必要になります。

• 敷金(家賃の1〜2か月分)
• 礼金(家賃の0〜2か月分)
• 仲介手数料(家賃の1か月分程度)
• 前家賃(入居月+翌月分など)

これらを合計すると、家賃の4〜6か月分程度が初期費用として必要になるケースが一般的です。
また、相談支援事業所として指定を受けるためには、相談スペースの確保やプライバシーへの配慮など一定の基準を満たす必要があります。
そのため、単純に安い物件を選ぶのではなく、指定基準を満たせるかどうかを事前に確認することが重要です。
特に、事前協議の段階で物件を契約することは望ましくなく、見通しが立ってから契約することをおすすめします。
なぜなら、事前協議の結果によっては、物件の条件が基準を満たさず指定が受けられない可能性があるためです。
その場合、契約済みの物件について家賃だけが発生し、事業を開始できないまま固定費だけがかかるリスクがあります。
また、指定までには一定の期間がかかるため、早期に契約してしまうと収入がない状態で家賃を払い続ける期間が長くなる点も注意が必要です。



設備費

相談支援事業所を開設する際には、様々な設備を用意する必要があります。
たとえば、以下のような設備が必要になります。

パソコン
プリンター・スキャナー
鍵付き書庫(書類保管用)
机・椅子
電話機

なお、コストを抑えるために中古品や既存の備品を活用することも可能です。
一方で、書類管理については「施錠できる環境」を求める指定権者が多く、個人情報保護の観点からも鍵付きの保管設備は必須と考えておいた方がよいでしょう。



通信・システム費

インターネット回線や電話料金などの通信費に加え、モニタリングやサービス等利用計画の作成、記録管理などを効率的に行うために、専用の業務管理ソフトを導入する場合はその費用も必要になります。
現場では、エクセルでスケジュールや記録を管理する支援者もいれば、月額制の専用ソフトを導入して業務効率化を図る支援者もおり、運用方法は分かれます。


なお、国保連への報酬請求については厚生労働省の提供する専用ソフトを利用することが可能です。



法人設立費用

新規で指定を取得する場合は、法人格が必須となります。
多くの事業者は「株式会社」または「合同会社」での立ち上げを選択しています。
法人設立の方法としては、主に以下の2パターンがあります。

• 専門家(行政書士・司法書士等)に依頼する
 自分で手続きを行う

専門家に依頼する場合は、手数料を含めて10万〜25万円程度の費用がかかるのが一般的です。
一方で、自分で手続きを行う場合は費用を抑えることができますが、定款作成や各種書類の準備など一定の事務負担が発生します。
なお、近年は法人設立をサポートするオンラインサービスも充実しており、これらを活用して自分で設立するケースも見られます。



営業・交通費

相談支援事業は、利用者や関係機関のもとへ訪問して支援を行うことが多く、移動が発生する業務です。
そのため、ガソリン代や駐車場代、公共交通機関の利用料などの交通費が継続的にかかります。
また、開業当初は利用者や関係機関に認知してもらうことが重要であり、そのための営業活動にかかる費用も見込んでおく必要があります。
具体的には、名刺作成やパンフレット作成、郵送費などが該当します。



まとめ

相談支援事業は、他の福祉事業と比べて比較的初期投資が低いのが特徴です。
自己所有物件を活用し、相談支援専門員1人で始める場合には、100万円程度で開業できるケースもあります。
一方で、相談支援は設備や人員ではなく、「人脈」と「地域との関係性」が収益に直結するビジネスです。
開業後に安定して利用者を確保できるかどうかは、どれだけ関係機関と接点を持てているかに大きく左右されます。
そのため、関係機関へのあいさつ回りや情報収集を積極的に行うことが重要です。


また、開業資金は少なく始めることも可能ですが、余裕があるほど運営の選択肢が広がり、無理のない事業運営につながります。
特に開業初期は収入が不安定になりやすいため、資金計画は慎重に立てておく必要があります。
不安がある場合は、事前に具体的な資金計画を立てた上で進めることをおすすめします。






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