多文化共生ソーシャルワーク委員会に参加し、外国人支援について行政書士・社会福祉士の視点から考えました。外国人雇用だけでなく、権利擁護や継続的な福祉支援、制度につなげることの重要性について紹介します。

更新日:2026/09/19

多文化共生ソーシャルワーク委員会に参加しました。

障害福祉や介護の現場では、外国人材の受入れが重要なテーマになっています。
私自身、行政書士として福祉事業者の外国人雇用や在留資格について学んでおり、このサイトでも特定技能、技能実習、EPA、在留資格など、福祉事業者が外国人を雇用する際に必要となる制度について記事を書いてきました。
外国人も、当然ですが、日本で生活する一人の人間です。
働くことだけではなく、住む場所、生活、家族、人間関係、福祉など、さまざまな問題を抱える可能性があります。
そこで今回、社会福祉士として、埼玉県社会福祉士会の「多文化共生ソーシャルワーク委員会」に参加しました。


多文化共生ソーシャルワーク委員会とは

多文化共生ソーシャルワーク委員会は、さまざまな背景を持つ人たちとともに社会を構成していくために、社会福祉士の役割を考えることを目的とした委員会です。
定例会では情報交換を行うだけではなく、外国籍住民の福祉的課題について考えたり、自治体やNPOなどとのネットワークづくり、研修会や相談会などの活動も行っています。


現在、定例会は毎月第3木曜日の19時30分からZoomで開催されています。
外国人支援に関心のある社会福祉士会員が参加できる場となっています。


なぜ委員会に参加しようと思ったのか

私がこの委員会に興味を持った理由の一つは、外国人問題について、できるだけ一方の立場だけから考えないようにしたかったからです。
外国人に関する議論では、さまざまな立場から意見が出されます。


しかし、感情的な議論になってしまうと、実際に何が問題なのか、どのような制度が必要なのかという部分が見えにくくなることがあります。
私は、行政書士・社会福祉士という専門職として関わるのであれば、さまざまな意見を聞き、自分自身の先入観も含めて考えながら、できるだけバイアスの少ない視点で問題を捉えたいと思っています。


実際に外国人の方の話を聞いて感じたこと

今回の定例会では、実際に外国人の方からお話を聞く機会がありました。
その中で印象に残ったのが、住む場所について制限を受けるなど、日本で生活するうえで不便を感じているという話でした。
制度について文章を読んだり、ニュースを見たりするだけでは、なかなか実感しにくい問題です。
しかし、実際にそのような経験をしている方から直接話を聞くと、問題をより身近なものとして考えることができます。
日本人と外国人で扱いが異なることについて、「同じ人間なのに、なぜ違うのか」と疑問を感じている方もいます。
そうした話を実際に聞くと、目の前に困っている人がいる以上、「何とかしてあげたい」と思うのは自然なことだと感じました。
一方で、そこで終わってはいけないとも思いました。


外国人支援について簡単に答えを出さない

今回の委員会に参加して、外国人支援について考えることの難しさも感じました。
例えば、日本人と外国人の間で制度上の扱いに違いがある場合、それを差別と考えることもできます。
一方で、社会保障や福祉に使える資源には限りがあります。
限られた社会資源をどのように配分するのか」という視点から考えれば、すべてを単純に同じにすることが必ずしも簡単な答えになるわけではありません。


日本人は、その土地に生まれ、そこで生活してきた人です。
一方、外国人は、さまざまな事情や目的によって国外から日本に来て生活しています。


もちろん、一人ひとりの事情は違いますし、このように単純化できる問題ではありません。
だからこそ、限られた社会資源のあり方などを踏まえて考える必要があるのだと思います。
今回の委員会では、自分と異なる考えを持つ人がいても、否定するのではなく、それぞれの考えを交換することができました。
このような場でさまざまな意見を聞くこと自体に、大きな意味があると感じました。


適法な滞在と権利擁護は別の問題として考える

今後、外国人の在留に関する要件が厳しくなる傾向がある中で、外国人支援について考えるときには、いくつかの問題を分けて考える必要があると思っています。
ルールに違反している場合には、当然、そのルールに基づいて適切に対応する必要があります。
一方で、適法に日本に滞在している外国人が、生活上の困難を抱えている場合まで、それとは別の問題として考える必要があります。
ルールを守ることと、困っている人の権利を守ることは両立します。
外国人支援を考えるうえでは、「外国人だから支援する」「外国人だから支援しない」という考え方ではなく、その人がどのような状況にあり、何が問題となっているのかを具体的に見ていくことが重要だと感じています。


福祉事業者にとっても、多文化共生は身近な問題

これから外国人材を受け入れる障害福祉事業所や介護事業所にとって、多文化共生は決して遠いテーマではありません。
外国人雇用は、単に「外国人を採用できるか」「どの在留資格を取得するか」という手続きだけの問題ではありません。

日本で働き、生活する人をどのように受け入れるのか。
困ったときにどこへ相談できる体制をつくるのか。
地域の中でどのように生活していけるよう支援するのか。

こうした視点も、外国人材を継続的に受け入れていくうえでは重要になると思います。
私自身も、行政書士として外国人雇用の制度を学ぶだけでなく、社会福祉士として、多文化共生や外国籍住民の権利擁護についても学んでいきたいと思います。