更新日:2026/08/01
外国人を雇用する事業者にとって、在留カードの確認は重要なコンプライアンス対応です。
外国人が適法に就労できるかを確認するための有効な手段であり、不法就労助長罪のリスクを避けるためにも実施が求められています。
また、在留カードが偽造されたものであった場合でも、事業者側に確認不足が認められると責任を問われることがあります。
そのため、採用時には在留カードの内容を正確に確認し、必要に応じて追加資料の提出を求めることが大切です。
在留カードを確認する際には、氏名や生年月日だけでなく、就労の可否に関わる情報を重点的に確認する必要があります。
特に確認すべき項目としては以下のようなものがあります。
• 在留資格
• 在留期間(満了日)
• 就労制限の有無
• 資格外活動許可の有無
• カードの有効期限
• 顔写真と本人の一致

例えば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を持つ方であっても、予定している業務内容が在留資格で認められる活動と一致していなければ就労できません。
また、留学生の場合は「留学」の在留資格となるため、資格外活動許可がなければアルバイトをすることができません。
在留カードの裏面や就労制限に関する記載は特に重要です。
就労制限欄には主に次のような記載があります。
就労制限なし
永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等などの在留資格では「就労制限なし」と表示されます。
この場合、原則として職種や勤務時間の制限なく働くことができます。
在留資格に基づく就労活動のみ可
技術・人文知識・国際業務や技能など、就労系在留資格の多くはこの記載になります。
この場合は、在留資格で認められている範囲内でのみ就労が可能です。
企業は実際の業務内容が在留資格と適合しているかを確認しなければなりません。
指定書により指定された就労活動のみ可
特定活動などの一部の在留資格では、別途交付される指定書の内容によって就労範囲が決まります。
在留カードだけでは判断できないため、必ず指定書も確認する必要があります。
➡指定書(別記第七号の四様式)
資格外活動許可の確認方法
留学生や家族滞在の方がアルバイトを行う場合には、資格外活動許可を受けていることが必要です。
資格外活動許可を受けている場合、在留カード裏面に許可内容が記載されています。
一般的には「原則週28時間以内」の範囲で就労が認められています。
ただし、長期休暇期間中は別の上限が適用される場合があります。
企業側は許可の有無だけでなく、勤務シフトが時間制限を超えていないかも確認する必要があります。
近年は精巧な偽造在留カードも確認されており、外観だけで真偽を判断することが難しくなっています。
そのため、以下のような点を確認することが重要です。
顔写真の不自然さや印字のずれ、文字のにじみなどは代表的な確認ポイントです。
また、カード表面のホログラムや特殊加工が不自然な場合も注意が必要です。
しかし、外観確認だけでは限界があります。
そのため、採用時には出入国在留管理庁が提供している在留カード等番号失効情報照会や在留カード等読取アプリの活用も有効です。
スマートフォンでICチップ情報を読み取ることにより、カード情報との整合性を確認できる場合があります。
在留カードに不備がある場合、事業者はさまざまなリスクを負う可能性があります。
例えば、在留期間が既に満了している外国人を雇用してしまった場合、不法就労助長罪の問題が発生する可能性があります。
また、資格外活動許可を確認せずに留学生を長時間勤務させた場合も法令違反となるおそれがあります。
さらに、企業名が公表されたり、社会的信用が低下したりするケースも考えられます。
外国人雇用が増加する中で、コンプライアンス体制の整備は企業にとって重要な課題となっています。
在留カード確認を担当者任せにすると、確認漏れが発生しやすくなります。
そのため、企業では採用時の確認手順を明確にしておくことが望ましいでしょう。
在留カードのコピー保管、就労制限の確認、在留期限の管理、更新時期のフォローなどを社内ルールとして整備しておくことで、不法就労リスクを大幅に軽減できます。
在留カードの確認は、外国人雇用における最も基本的かつ重要なコンプライアンス業務です。
近年は偽造在留カードも増加しているため、外観確認だけでなく公的な照会サービスや読取アプリの活用も重要です。
適切な確認体制を整備することで、不法就労助長罪や企業信用の低下といったリスクを防ぎ、安心して外国人材を受け入れることができるでしょう。