更新日:2026/07/11
外国人を雇用する事業所が増える中で、
「この在留資格の人は働けるのか」
「どのような業務に従事できるのか」
といった疑問を持つ福祉事業者も少なくありません。
特に障害福祉サービス事業所や介護事業所では、人材不足を背景として外国人雇用への関心が高まっています。
しかし、在留資格ごとに就労の可否や従事できる業務内容は異なり、誤った理解のまま雇用を進めると、事業者側にも大きなリスクが生じます。
この記事では、在留資格の基本的な仕組みと就労可否の考え方について解説します。
在留資格とは、外国人が日本に在留するための法的な資格です。
日本に滞在する外国人は、原則として何らかの在留資格を取得しており、その在留資格によって日本で行うことができる活動の範囲が定められています。
例えば、大学で学ぶために来日した人には「留学」、企業で専門的な業務に従事する人には「技術・人文知識・国際業務」、日本人と結婚した人には「日本人の配偶者等」といった在留資格が与えられます。
在留資格は単なる滞在許可ではなく、「日本でどのような活動を行うか」を前提として許可されているという点です。
在留カードは、中長期在留者に交付される公的な証明書です。
適法な在留資格や在留期間を証明するとともに、在留資格の変更や更新許可を示す許可証の役割も担っています。
在留資格は細かく分類すると多くの種類がありますが、就労可否を考える際にグループに分けて考えると理解しやすくなります。
身分・地位に基づく在留資格
この類型には、永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等などが含まれます。
これらの在留資格を持つ人は、原則として就労活動に制限がありません。
職種や業種を問わず働くことができるため、日本人とほぼ同様の形で雇用することが可能です。
福祉事業所においても、生活支援員や事務職など幅広い職種での雇用が検討できます。
就労が認められる在留資格
一定の業務に従事することを前提として認められている在留資格です。
福祉事業所における代表例としては次のようなものがあります。
• 介護
• 特定技能
• 特定活動(EPA介護福祉士候補者等)
• 技能実習・育成就労
これらの在留資格では就労そのものは認められていますが、どのような業務でも自由に従事できるわけではありません。
在留資格ごとに認められた活動内容と実際の業務内容が一致していることが必要になります。
原則として就労できない在留資格
留学や家族滞在などが代表例です。
これらの在留資格は本来の活動目的が就労ではないため、原則として働くことはできません。
ただし、「資格外活動許可」を取得した場合には、一定の範囲でアルバイトなどの就労が認められます。
多くの場合、週28時間以内という制限が設けられています。
福祉施設で留学生をアルバイトとして雇用する場合は、資格外活動許可の有無を必ず確認する必要があります。
外国人の採用を検討する際は、まず在留カードを確認します。
そして次の点を確認することが重要です。
まず、現在の在留資格が何であるかを確認します。
次に、その在留資格で予定している業務が認められているかを検討します。
さらに、在留期間が有効であるかを確認します。
留学生や家族滞在の場合には、資格外活動許可欄も確認する必要があります。
障害福祉サービス事業所や介護事業所では、人手不足から外国人採用を急ぐケースがあります。
しかし、在留資格と業務内容が適合していない状態で働かせてしまうと、不法就労助長罪に問われる可能性があります。
違反した者には、「5年以下の拘禁刑(懲役・禁錮に相当)もしくは500万円以下の罰金、またはその両方」という非常に重いペナルティが課されます。
例えば、専門職として在留資格を取得している外国人に対し、実際には認められていない業務を担当させるケースや、留学生アルバイトについても、週28時間の上限を超えて就労させると法令違反となる可能性があります。
採用前、採用後も制度を遵守し、要件をしっかり確認することが重要です。
在留資格を理解するうえで最も重要なのは、「外国人が日本に滞在できる資格」であると同時に、「どのような活動ができるかを定める資格」であるという点です。
実際に雇用する際は、単純に働けるかどうかではなく、「どの在留資格で」「どのような業務に従事するのか」という視点で考える必要があります。
福祉事業所において外国人雇用を進める際は、在留資格と業務内容の適合性を丁寧に確認することが重要です。
適切な確認を行うことで、法令遵守を徹底しながら安定した人材確保につなげることができるでしょう。