更新日:2026/07/26
留学生や家族滞在の在留資格を持つ方が日本で生活するうえで、アルバイト収入は重要な役割を果たしています。
一方で、在留資格には活動内容に関する制限があり、ルールを知らずに働いてしまうと、本人だけでなく雇用する事業者側にも大きな影響が生じる可能性があります。
特に福祉事業所では、人手不足を背景に外国人の雇用が増えていますが、
「留学生だから働けるだろう」
「家族滞在だから問題ないだろう」
と安易に判断することは危険です。
この記事では、留学生と家族滞在のアルバイトに関する基本ルールと、福祉事業所が押さえておきたい実務上の注意点について解説します。
留学生の多くは在留資格「留学」を持っています。
しかし、「留学」は本来、教育機関で学ぶことを目的とした在留資格であり、原則として就労は認められていません。
そのため、アルバイトをする場合には、入管から「資格外活動許可」を受ける必要があります。
資格外活動許可を取得した留学生は、一定の範囲内でアルバイトが可能となります。
主なルールは以下のとおりです。
• 週28時間以内
• 教育機関の長期休暇中は1日8時間以内
• 風俗営業等に関連する業務は禁止
ここでいう週28時間とは、勤務先ごとの時間ではなく、すべての勤務先を合算した時間です。
例えば、コンビニで週15時間、飲食店で週13時間働く場合は合計28時間となり問題ありません。
しかし、それを超えると資格外活動許可の範囲を超えることになります。
家族滞在は、就労系の在留資格や留学の在留資格を持つ外国人の配偶者や子どもが取得する在留資格です。
家族滞在も原則として就労は認められていません。
そのため、アルバイトをする場合には留学生と同様に資格外活動許可が必要です。
許可を取得した場合には、週28時間以内の範囲で働くことができます。
家族滞在の方の場合、本人が日本語学校や大学に通っていないケースも多いため、雇用主側が「就労制限がない」と誤解することがあります。
しかし、資格外活動許可を取得していなければアルバイトはできません。
採用時には必ず在留カードを確認し、資格外活動許可の有無を確認することが重要です。
在留カードの確認を徹底する
外国人を採用する際は、在留カードの確認が不可欠です。
資格外活動許可を受けている場合は、在留カード裏面にその旨が記載されています。
本人の説明だけで判断せず、必ず現物を確認することが大切です。
労働時間の管理を行う
留学生や家族滞在の方が複数の職場で働いているケースは珍しくありません。
事業所側が週20時間しかシフトを入れていなくても、他の勤務先で10時間働いていれば、週28時間を超えてしまいます。
もちろん、他社での勤務時間を完全に把握することは困難ですが、採用時や定期的な面談時に他のアルバイト状況を確認し、本人にルールを説明しておくことが重要です。
在留期限の更新状況を確認する
在留期間には期限があります。
更新手続きを行わずに在留期限を過ぎた場合、適法に就労できない状態になる可能性があります。
そのため、在留カードのコピーを保管し、在留期限が近づいた職員については更新状況を確認する体制を整えておくことが望ましいでしょう。
特に小規模な障害福祉サービス事業所では、人材確保を優先するあまり在留資格管理が後回しになるケースがありますが、注意が必要です。
不法就労助長罪に注意
資格外活動許可を持たない留学生や家族滞在の方を雇用した場合、本人だけでなく雇用主も責任を問われる可能性があります。
出入国管理及び難民認定法では、不法就労をさせた事業者に対して「不法就労助長罪」が定められています。
「知らなかった」「本人が大丈夫と言っていた」という理由だけでは免責されない場合もあります。
そのため、外国人を雇用する際には、在留資格や就労制限の確認を行い、適切な記録を残しておくことが重要です。
介護分野や障害福祉分野では人材不足が続いており、外国人スタッフの活躍の場は今後さらに広がると考えられます。
留学生や家族滞在の方のアルバイト雇用は、事業所にとって貴重な人材確保の手段となります。
しかし、在留資格に関するルールを理解しないまま雇用を進めると、思わぬ法的リスクを抱えることになりかねません。
福祉事業所としては、採用時の在留カード確認、資格外活動許可の確認、労働時間管理、在留期限管理を徹底することが求められます。
外国人本人が安心して働ける環境を整えることはもちろん、事業所自身を守るためにも、在留資格に関する基本知識を身につけておくことが大切です。
留学生と家族滞在の方は、資格外活動許可を取得することで原則週28時間以内のアルバイトが認められています。
しかし、許可がない場合や時間制限を超えた場合は不法就労となる可能性があります。
事業所では、採用時に在留カードと資格外活動許可を確認し、労働時間や在留期限を適切に管理することが重要です。
外国人雇用が拡大する中で、制度への理解を深めることが、適正な事業運営につながるでしょう。