更新日:2026/08/29
特定技能制度は、日本国内における深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有する外国人材の受入れを可能とする在留資格制度です。
2019年に創設され、介護、建設、外食業など特に人材確保が困難な分野が対象とされています。
この制度は、単なる技能実習の延長ではなく、労働力としての受入れを明確に位置付けている点が大きな特徴です。
一定の技能水準と日本語能力を満たした外国人が、即戦力として就労できる制度設計となっています。
特定技能は「1号」と「2号」に区分されていますが、介護分野では、特定技能1号のみが対象です。


特定技能1号は、特定産業分野において相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事するための在留資格です。
在留期間は1年・6か月・4か月ごとの更新制で、通算で最長5年間まで在留することができます。
また、家族の帯同は原則として認められていません。
介護分野においては、施設での身体介護を含む業務に従事することが可能です。
なお、長らく禁止されていた訪問系サービス(訪問介護等)についても、近年の深刻なヘルパー不足を受けて制度改正が行われ、一定の受入要件(一定期間の施設実務経験やバックアップ体制の整備など)を満たすことで、正式に従事することが可能となりました。
介護分野で特定技能1号の在留資格を取得するためには、大きく分けて次の2つのルート(いずれかの要件)を満たす必要があります。
試験に合格する
・国内外で実施される介護特定技能評価試験(➀技能評価試験及び➁日本語評価試験)
・日本語試験(➁国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験N4以上) に合格すること
技能実習2号を良好に修了し、在留資格変更で特定技能へ移行する
介護職種の「技能実習2号」を良好に修了した外国人については、上記の「専門試験」と「日本語試験」がすべて免除されるという大きな特徴があります。
試験を受けることなく在留資格を「特定技能1号」へスムーズに変更できるため、この仕組みは、技能実習生を3年間受け入れた介護施設が、そのまま自社の人材として継続雇用(最長5年間)するための重要な架け橋となっています。
特定技能外国人を受け入れる事業所には、適切な支援体制の整備が義務付けられています。
具体的には、生活支援、相談対応、日本語学習の機会提供、行政手続きの補助などを行う必要があります。
これらの支援は、登録支援機関に委託することも可能です。
また、労働関係法令の遵守はもちろんのこと、日本人と同等以上の報酬を確保することが求められています。
単に人手不足を補うための制度ではなく、外国人が安定して就労・生活できる環境整備が制度の前提となっています。
【受入れ機関の基準と義務】
【支援体制の整備について】
特定技能制度と技能実習制度は混同されやすいですが、その目的は明確に異なります。
技能実習制度が「技能移転による国際貢献」を目的としているのに対し、特定技能制度は「人手不足分野における即戦力人材の確保」を目的としています。
また、特定技能では転職(同一分野内の転籍)が一定条件のもと認められており、技能実習と比較して労働者としての自由度が高い点も特徴です。

特定技能制度は、日本の人手不足を背景に創設された実務型の在留資格制度であり、介護分野では即戦力人材の確保に直結する重要な制度です。
技能実習制度との違いを正しく理解したうえで、受入体制や支援体制を整備することが、今後の福祉事業運営においてますます重要になるといえます。