更新日:2026/01/27
高齢者や障害者を守る制度として、「成年後見制度」があります。
今回は、私が障害者支援に携わる中で、後見制度の必要性を強く感じた事例をご紹介します。
なお、事例については、個人が特定されないよう、事実の本質を損なわない範囲で一部にフィクションを加えています。
Aさんは20歳前後の青年です。
軽度の知的障害があり、ご実家でご家族とともに生活しています。
Aさんには浪費傾向があり、自身の収入や貯えを十分に考慮せず、興味のある物を衝動的に購入してしまうことがありました。
購入資金は、親のクレジットカードを使用したり、知人から借金をしたりして工面していました。
これらの行為は、親がクレジットカードの請求内容を確認した際や、Aさんが福祉職員に購入品を自慢したことなどをきっかけに発覚していました。
Aさんは未成年であった頃は、法定代理人である親の同意を得ずに行った契約について、未成年者取消権により取り消すことが可能でした。
しかし、成人後は原則として本人が契約上の責任を負うこととなり、高額な請求に対して対応が困難な状況に陥っていました。
Bさんは、知的障害および精神障害のある成人男性です。
グループホームに入居し、日常生活については一定の支援を受けながら生活しています。
精神障害の影響もあり、日常的に不安感が強く、特に金銭面に対する不安を抱きやすい状況にありました。
そのような中、Bさんのスマートフォンに「超簡単で高収入」といった内容のメールが届きました。
将来への不安や金銭的な心配から、Bさんはその内容を信じて返信し、入会金名目で数十万円を支払ってしまいました。
また、過去には「高額当選おめでとうございます」といった内容のメールを信じ、同様に金銭を支払ってしまったこともありました。
Cさんは、知的障害のある成人男性です。
ご実家で生活しながら、日中は障害福祉サービスを利用しています。
Cさんは他者を疑うことが少なく、困っている人を見ると手を差し伸べようとするなど、対人関係において非常に善意的な行動特性を持っていました。
ある日、Cさんはインターネット上で知り合った人物と実際に会うことになりました。
面会した際、その人物から
「金銭的に困窮しているため、金を貸してほしい」
といった相談を受けました。
Cさんは相手の話を信じ、初対面の人物に対して多額の金銭を貸してしまいました。
しかしその後、連絡を取ろうとしても音信不通となり、教えられていた住所も虚偽であることが判明しました。
金銭的な損害を被ったことに加え、信じていた相手に騙されたという事実に大きな精神的ショックを受け、Cさんは落ち込んだ状態となってしまいました。
このように、障害のある方を取り巻く金銭トラブルは非常に多く見受けられます。
特に、詐欺被害や浪費によって生活が困窮し、それに伴う不安や落ち込みから、精神的な不調が悪化してしまうケースも少なくありません。
未成年のうちは、親による金銭管理や未成年者取消権といった法的保護があるため、問題が表面化しにくい傾向があります。
しかし、成人した後や親元を離れて生活するようになると、本人の金銭トラブルに周囲が気づきにくくなり、発覚した時には被害が大きくなっていることも多くあります。
また、10万円前後の金銭トラブルは、本人や家族にとっては深刻な問題である一方、士業に依頼するには費用対効果の面から難しい場合も少なくありません。
仮に一つの事例が解決できたとしても、同様のトラブルが繰り返される可能性があり、根本的な解決には至らないこともあります。
そのような状況において、成年後見制度は一つの有効な選択肢となり得ます。
成年後見制度は、判断能力が十分でない方の財産管理や契約行為を支援し、本人を守る制度であり、非常に心強い側面があります。
一方で、後見人による横領や経済的虐待といった問題が指摘されてきたことも事実です。
そのような点に不安を感じる場合には、任意後見制度という選択肢もあります。
任意後見制度は、将来に備えて、判断能力が十分にあるうちに、あらかじめ信頼できる人物を後見人として選任しておき、判断能力が低下した段階で、家庭裁判所の監督のもと任意後見人が就任する制度です。
後見人を本人自身が選択できる点に、大きな特徴があります。
当事務所でも後見業務を取り扱っておりますので、ご不明な点やご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。
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