更新日:2026/01/20
虐待は一般的に「身体的虐待」「性的虐待」「心理的虐待」「ネグレクト(放棄・放任)」の4つに分類され、対象によってはさらに「経済的虐待」を含めた5類型として定義されています。
「身体拘束廃止未実施減算」は、障害福祉サービス事業所などにおいて、身体拘束の廃止に向けた取り組みを実施していない場合に報酬が減算される制度です。
これは、身体拘束の適正化を促し、結果として身体的虐待の防止につなげることを目的としています。
本記事では、身体拘束廃止未実施減算について解説します。
【対象事業】
① 療養介護、施設入所支援、障害者支援施設が行う昼間実施サービス、共同生活援助、 宿泊型自立訓練、障害児入所施設
② 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、生活介護(※)、短期入所、自立訓練(宿泊型自立訓練を除く)(※)、就労移行支援(※)、就労継続支援(※)、就労選択支援、児童発達支援、放課後等デイサービス、居宅訪問型児童発達支援、保育所等訪問支援
※ 障害者支援施設が行う昼間実施サービスを除く。
【減算単位】
上記①→所定単位数の10%を減算
上記②→所定単位数の1%を減算
【要件】
本減算を回避するためには、以下の ①~④すべての要件 を満たす必要があります。
いずれかを実施していない場合、報酬の減算対象となります。
身体拘束等を実施する際には、その態様・時間・利用者の心身の状況・緊急やむを得ない理由 その他必要事項を記録しなければなりません。
〈ポイント〉
(1)装具の使用については、医師の意見書や診断書に基づき製作・使用していることを確認する。
(2)利用者やご家族に十分に説明し、理解と同意を得ること。
(3)身体拘束に該当する行為については、その目的に応じて適切に判断し、利用者の状態や状況に沿った取扱いがなされているかを確認する。
(4)記録に関しては、身体拘束の実施を事業所・施設の組織的な決定とし、個別支援計画に拘束の様態・時間・やむを得ない理由を明確に記載し、関係者間で共有する。
また、緊急時など個別支援計画に記載がない場合には、その状況や対応についてケア記録等に記載すること。
(5)身体拘束の要件に該当しなくなった場合には、速やかに解除する。
(6)やむを得ない理由を記録する際は、本人の尊厳を守るために、切迫性、非代替性、一時性をすべて満たす状態であることを、本人・家族、本人にかかわっている関係者・関係機関全員で検討、確認し、記録しておくこと。
※身体拘束を行ったことが直ちに減算の対象となるわけではない点に留意しましょう。
身体拘束等の適正化に関する委員会(身体拘束適正化委員会)を設置し、定期的に開催して結果を職員へ周知する必要があります。
〈ポイント〉
(1)身体拘束適正化委員会を設置している
※ 事業所の規模に応じて、事業所単位でなく、法人単位での委員会設置及び虐待防止委員会と一体的に設置・運営も可能です。
(2) 身体拘束適正化委員会を定期的(最低年1回以上)に開催している
(3) 身体拘束適正化委員会の構成員の責務及び役割分担が明確である
(4) 身体拘束適正化委員会の構成員は事業所に従事する幅広い職種により構成している
〈ポイント〉
指針には以下を盛り込む必要があります。
(1)事業所における身体拘束等の適正化に関する基本的な考え方
(2)身体拘束適正化委員会その他事業所内の組織に関する事項
(3)身体拘束等の適正化の研修に関する基本方針
(4)事業所内で発生した身体拘束等の報告方法等の方策に関する基本方針
(5)身体拘束等発生時の対応に関する基本方針
(6)利用者等に対する当該指針の閲覧に関する基本方針
(7)その他身体拘束等の適正化の推進のために必要な基本方針
〈ポイント〉
(1)身体拘束等の適正化の研修を定期的に(年1回以上)実施している
(2)新規採用時には、必ず身体拘束等の適正化の研修を実施している
(3)研修の実施内容の記録を行っている
※ 虐待防止の取組で身体拘束等の適正化について取り扱う場合には、身体拘束等の適正化に取り組んでいるものとみなされます。
【減算適用開始】
運営指導等により運営基準を満たしていない事実が確認された月の翌月が減算の適用開始月となります。
【減算適用終了月】
運営基準を満たしていない事実が生じた場合、指定権者担当あてに速やかに改善計画を提出し、事実が生じた月から3月後に同計画に基づく改善報告を提出します。
当該改善報告により改善が認められた月が減算の終了月になります。
※ 指定権者によって運用が異なる場合があります。
身体拘束廃止未実施減算は、障害者虐待防止の観点から非常に重要な制度です。
この減算は、身体拘束の廃止に向けた取り組みを促進し、利用者の人権尊重と安全な支援環境の確保を目的としています。
また、「虐待防止措置未実施減算」とは要件の一部が重複しており、両者は密接に関連しています。
そのため、身体拘束廃止未実施減算の確認を行う際には、虐待防止措置未実施減算の取組状況も併せて点検することが重要です。
両制度を適切に運用し、事業所全体で身体拘束および虐待防止に取り組むことが、障害のある方々の尊厳と権利を守ることにつながります。
一人ひとりが安心して生活できる社会の実現を目指していきましょう。
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