更新日:2026/04/18
介護タクシー事業は、高齢化社会の進展に伴い需要が高まっている分野です。
一方で、開業にあたっては資金・資格・設備など複数の要件を満たす必要があります。
ここでは、開業までの基本的な流れを段階ごとに解説します。
最初に取り組むべきは、開業に必要な資金の把握と資金計画の策定です。
介護タクシーの許可申請においては、一定の自己資金を保有していることが求められ、審査の過程では預金残高証明書等により資金の裏付けが確認されます。
また、申請期間中においても、計画に見合った資金状況が維持されていることが重要です。
必要な資金としては、車両購入費のほか、営業所や車庫の確保にかかる費用、各種保険料、さらに運転資金などが含まれます。
これらを総合的に見積もり、無理のない資金計画を立てることが求められます。
介護タクシー事業を行うためには、普通自動車第二種免許が必須となります。
これは有償で旅客を運送するために必要な免許です。
第二種免許は、自動車教習所で取得する必要があります。
取得までの期間はおおむね1か月程度、費用は25万円前後が一般的な水準です。
使用する車両によって、追加で必要となる資格の有無が異なります。
福祉車両を使用する場合には、第二種免許のみで対応可能です。
一方で、一般車両を使用する場合には、介護関連資格の取得が必要となります。
該当する資格としては、介護福祉士や訪問介護員(初任者研修修了者など)が挙げられます。
事業形態に応じて、どの資格が必要かを事前に整理しておくことが重要です。
※ 福祉車両とは
身体の不自由な人や高齢者にとって移動の自由を広げるクルマです。
車いすごと乗れるリフト付き車両や介護タクシーで使われるスロープ付き車両などを指します。
※ 介護福祉士とは
介護分野における国家資格であり、専門的な知識と技術をもって介護業務を行う者に付与されます。
資格の取得方法はいくつかのルートがあり、代表的なものとしては、一定の実務経験を積んだうえで実務者研修を修了し、国家試験に合格する方法があります。
その他にも、養成施設の卒業や福祉系高校で所定の課程を修了するルートなどが設けられています。
※ 訪問介護員(ホームヘルパー)とは
高齢者や障害のある方の自宅を訪問し、身体介護や生活援助など日常生活の支援を行う職種を指します。
一般的には「ホームヘルパー」とも呼ばれています。
訪問介護員として従事するためにはいくつかの資格ルートがありますが、現在最も一般的なのは「介護職員初任者研修」を修了する方法です。
この研修は、通信学習と通学を組み合わせた約130時間のカリキュラムで構成されており、全課程修了後に実施される修了評価に合格することで資格を取得できます。
取得期間はおおむね1か月から4か月程度、費用は5万円から10万円前後が一般的な目安です。
特別な受講資格が設けられていないため、比較的取得しやすい点が特徴です。
許可取得にあたっては、営業所のほか、車庫などの確保が必要です。
これらの施設は、単に存在すればよいのではなく、各運輸局が定める基準を満たす必要があります。
また、自己所有か賃貸かによって必要書類が異なるため、契約形態も含めて計画的に準備する必要があります。
事業用車両の安全運行を担保するため、運行管理者の配置が必要です。
運行管理者は、運転者の勤務割の作成や健康状態の確認、点呼の実施、安全運行に関する指導などを担当します。
営業所ごとに1名の選任が必要ですが、小規模事業であれば運転者との兼務が認められるケースもあります。
個人事業では、家族を選任するケースも一般的です。
介護タクシー事業を開始するためには、一般乗用旅客自動車運送事業の許可申請に加え、運賃の認可申請を行う必要があります。
運賃については、事業許可とは別に認可を受けなければならず、両方の手続を経て初めて営業が可能となります。
なお、申請のタイミングについては管轄する運輸支局の運用により異なる場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
運賃の設定方法としては、タクシーメーターを用いた距離制運賃のほか、利用時間により算定する時間制運賃を選択することが可能です。
介護タクシーの許可申請後は、原則として法令試験が実施されます。
ただし、すべての地域で実施されるわけではなく、管轄する運輸局の運用によっては試験が行われない場合もあります。
例えば、関東運輸局管内(東京、千葉、神奈川、埼玉、群馬、栃木、茨城、山梨)では原則として法令試験が課されていません。
申請後、標準的には約3か月前後で、管轄の運輸支局から許可書および運賃認可書が交付されます。
ただし、この期間はあくまで目安であり、申請内容の補正対応や審査状況によって前後する場合があります。
そのため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが重要です。
許可書の交付後に、実際に使用する車両を準備します。
ここで注意すべき点として、許可取得前に車両を購入しないことが挙げられます。
審査過程では自己資金の状況が確認されるため、事前に大きな支出を行うと資金要件を満たさなくなる可能性があります。
車両については、事前に立てた資金計画に基づき、新車・中古車の購入やリース契約などから適切な方法を選択して導入します。
車両準備後は、営業用ナンバーの取得および「距離制運賃」を採用する場合、タクシーメーターの設置を行います。
これらの手続きは、車両販売業者や専門業者が対応するケースが一般的です。
最終段階として、「運輸開始届」を運輸支局へ提出します。
この届出は許可取得後6か月以内に行う必要があり、期限を過ぎると許可が失効する可能性があるため注意が必要です。
メーター設定が完了すれば運行自体は開始可能となりますが、届出をもって正式な事業開始となります。
また、法人で開業する場合には社会保険への加入手続きも必要となるため、事前に準備しておく必要があります。
介護タクシーの開業は、資金準備から始まり、免許・資格・施設・許認可と多岐にわたる工程を経て実現します。
全体の流れを正確に把握し、計画的に準備を進めることで、スムーズな開業と安定した事業運営につながります。
専門家のサポートを活用することで、手続きの精度と効率を高めることも有効です。
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